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自由に歩き回ることの難しさを知った。
私が食べたいもの、私が欲しいもの、私が必要なものってなんだろう。
千羅さんに腕を引かれるままに街に繰り出すも、「何が食べたいか」「何が欲しいか」の質問には点で答えられなかった。答えなければならない圧で汗が止まらなかった。混乱する私を慰めるように千羅さんは私を団子屋さんに連れて行ってくれた。
「大丈夫?」
『あ、はい。すみません。・・・なんか、ほんとに、・・・すみません。』
「・・・気にしんといて、似たような感じになった奴うちにもおるから。」
そうなんですか?と問う前に体が動き、飲んでいた抹茶を机において前を向いた。机に肘をついて私を見て笑っていた。だから、昨日からどうし優しい顔して笑うの。
「うらたんやで。」
『うらた・・・え?浦田さんの事ですか?』
「せやで。」
随分と可愛らしい愛称をお持ちで・・・。
「もともと超神経質やし、なにより長男だからっていう圧と俺ら守らなかんってきもちがあったんとちゃうかな。本人口堅いから本心は分からへんけどな。」
なんて笑顔を振りまく彼の顔があまりにも悲痛な表情に見えた。・・・いや、きっと寂しさを孕んだ葛藤だろう。きっと今まで自分たちのために我慢してきた彼を間近で見てきたから。
彼はいろいろと我慢ができて
昨日浦田さんには世話の焼ける弟が3人いると言われた。千羅さんには手のかかる弟が1人いると言われた。
『みなさん、お互いのことが大好きなんですね。』
「・・・まあ、否定はしんけど。」
『ふふっ、千羅さんが強情じゃなくてよかったです。』
照れくさそうにもそれらを認めた千羅さんが急にとてもかわいく見えた。
『4人兄弟なんですよね?浦田さんと千羅さん以外の方々は何をなさっているんですか?』
「職的には俺らと一緒やけど、まあ忙しない奴らやしなあ。」
忙しい、ってことは引く手数多って事?人気花魁みたいな。いやでも、この兄弟ならだいぶあり得るよね、2人続いてこんなに綺麗な顔してるんだもの、他2人も系統は違うにしてもかなり
「兄弟の俺が言うのもなんやけど、けっこう顔は整っとると思うで。」
『ありがとうございます。』
「他の情報との食いつきの勢いの差が以上なんよ、ほんま。」
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さくらいろ(プロフ) - マロンさん» ありがとう(*´˘`*)最近更新する時間を作れることが多くて今頑張ってます!待っててください(^^) (2020年5月30日 16時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
マロン(プロフ) - さくちゃん待ってたよぉぉお!!てか最初の方から好きすぎてやばいのですがどうしましょう!?← え、取り敢えず好きすぎてやばいです……!!!、 (2020年3月22日 21時) (レス) id: 16f9fe16fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらいろ | 作成日時:2020年2月27日 23時