始マリ ページ2
『おかあさま、きょうはどこにいくの?』
母は何も答えてくれなかった。
あの日、私は捨てられた。
花栗の姓をなくした。
要らない子だって言われた気がした。
大きな荷車に乗せられて、両親もあまつさえ大好きだった兄もこちらに脇目も降らず立ち去った。
残酷だと思った。
冷淡だと思った。
幸せは音ともにやってくる。
からんころん。からんころん。
不幸は糸が切れる音がする。
ぷちん。
あの時はちょうど私と家族を繋ぐ糸が簡単に糸バサミで切られたの。大して太くもない縫い糸が切られたの。
がらがらと荷車を引かれた先に見えたのはキラキラと光る大きな街だった。
宝石箱みたいだった。お伽噺のお姫様が暮らすお城のようにも見えた。
でも、中は地獄だった。
幸せなものではなかった。
私と同じ歳くらいの女の子がたくさん泣いていた。
こんな檻の中で一生を終えるのだと情けなくて笑えてくる。素性も知れない輩に身を捧ぐなんて御免だった。
周囲が絶望に伏している中、私は1人決心をした。
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『いつか心から好きな殿方に出会って
『本物の恋をしてやる!』
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さくらいろ(プロフ) - マロンさん» ありがとう(*´˘`*)最近更新する時間を作れることが多くて今頑張ってます!待っててください(^^) (2020年5月30日 16時) (レス) id: 8627590864 (このIDを非表示/違反報告)
マロン(プロフ) - さくちゃん待ってたよぉぉお!!てか最初の方から好きすぎてやばいのですがどうしましょう!?← え、取り敢えず好きすぎてやばいです……!!!、 (2020年3月22日 21時) (レス) id: 16f9fe16fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらいろ | 作成日時:2020年2月27日 23時