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涼side
清掃当番でジャンケンに負けた俺は瑞稀の彼女と一緒にゴミ捨てに、
「 何であんなの付き合う事にしたの？ 」
『 あんなのって言うなよ、俺の彼女 』
どさり、物が落ちる音がすれば抱き締められて、
「 何で、私じゃ駄目なの？ 」
『 おまえさ、瑞稀がいる癖にこういう事すんなよ 』
「 付き合ってない 」
『 は？ 』
「 私と瑞稀は付き合ってないよ 」
「 何で二人してあの女なの…？ 」
その言葉に教室にいる二人を思い出す。瑞稀とAが居る。瞬間、駆け出し教室に戻るも二人は居ない、靴箱を確認してもまだ居る、図書室、屋上、どこにも居ない、
昔、瑞稀は視聴覚室によく入り浸っていた。程よく防音で外から誰かが入り込むことも無い、と。
事務室で借りた鍵を差し込み扉を開ければ瑞稀の腕の中に居るA、
『 何やってんの 』
「 涼… 」
こんな状況でも俺の名前を呼んでくれる君に愛しさ込み上げれば反対に憎しみの目を向けて無理矢理唇を重ねた瑞稀。
何度も、何度も。丁寧にリップ音まで付けられては腸が煮えくり返る思いで、なけなしの理性で問い掛ければへらりと笑ってキスくらいという。
怒りで拳を振り上げれば止めるように俺を抱き締めるA。
無事で良かった、そう思うのと同時に濡れた唇が目に入れば務めて優しく、君の頬を包んで口付けを落とす。
消毒なんて言ったけど、俺以外とのキスを覚えていて欲しくないだけの、ただの強がりだよ。
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作者名：さやめめ | 作成日時：2018年11月20日 16時
