檸檬の香る部屋 - アンナチュラル -

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ゆかりんへのお供え物と高野島さんのデスクにあったクッキーにエチレングリコールが入っていると睨んだ私たちはその成分を調べた。



「 両者の成分を調べた結果、エチレングリコール…出ませんでした！ 」



「 え 」



「 試しにラットに食べさせてみたところピンピンしてます 」



『 ピンピンか〜 』



生きててよかったけど進展具合で言えば全く良くはないこの状況。稀にある偶然と神倉さんは言うけど私にはそうは思えない。それは三澄さんも同じ考えのようで。



夜まで悩んでいた三澄さんと眠ってしまった私と本を読んでいる中堂さんの三人で静かに時間は過ぎていた。



最近気になる事が多くてまともな睡眠が取れなかった私はいつの間にか中堂さんにもたれ掛かって眠ってしまっていた。



三澄さんが中堂さんに質問して、中堂さんが立ち上がった所で私は肘掛の部分に頭を打って目が覚めた。



自分のデスクに着けば久部くんが帰ってきた。久部くんと話しているとずっと引っ掛かっていた疑問が解決した。



『 三澄さん、これって 』



二人、顔を見合わせれば考えていた事は同じようで。風邪、サウジアラビア、これで全部繋がった。



三澄さんが館内放送で常駐企業に呼び掛けている間に久部くんを褒めてあげた。背伸びして撫でれば嬉しそうに笑うからよしよしって労う。



「 キツそうだね、屈んであげようか？ 」



『 ねぇ、もう。バカにしてるでしょ 』



「 バレた？ 」



『 バカ 』



ごめんごめんって笑いながら屈む彼は絶対反省なんかしていない。



ムカついた私は背伸びしてデコピンを一つお見舞いしてやった。



そんな事をしている間に皆集まってきて、調べればMERSが検出された。そこから各方面への対処に追われその日帰ることは出来なかった。時々眠ってしまった私を優しく起こしてくれたのは久部くんだった、



東海林さんに至っては脅かしてくるから暫くお菓子は抜き。三澄さんは起こさず全部自分でやろうとしてしまうからお菓子倍あげよう。

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