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満月が夜の世界を明るく照らす深夜2時頃。
木々が生い茂る森に女が1人いた。
その女は体全身に真っ赤な血を浴びており、右手には血が滴り落ちている状態の刀、足元には、この世のものとは思えない物体が沢山転がっており、地面を赤く染めていた。
『はぁ、疲れた…クソ兄貴め…こんな仕事ばっかりさせやがって…』
女は、ここには居ない兄に悪態をつきつつ血のついた刀をひと振りし血を地面に飛ばす。
あとで手入れが必要だな、と思いつつ鞘に刀を納め内ポケットに入れておいた携帯を取り出し電話をかける。
『あ、もしもし?終わったよ…うん、やっぱり人皮被った妖だった…いや、あん時のより精巧だよ。ガッツリ切らないとわからないくらい血も赤色だしね…人間切ったかもって焦ったくらい…うん、わかった取り敢えず分かったことは人間に相当近い妖、あと体の何処かに印が…っ!?』
兄に電話をしてる途中で背後から急に刃物か何かでお腹を刺された。
「それ以上は言ったらダメだな〜…」
後から耳元に口を寄せてそう呟く若い男の声。
片方の耳では兄が声を荒げてるのが聞こえる。
ちっ…油断した。
『何者…アンタ…。気配消して来るなんてさ』
「んー、裏の世界の人間としか言えないな〜取り敢えずアンタは知りすぎたんだよ。だから死んでもらうよ」
『…殺してみろやボケ…』
携帯を手放し、刺さってる刀を掴んで抜けないようにすればそのまま体を中心に黒い円を作り上げ相手と共に包み込んだ。
「…なんだこれは…っ!体が…!?」
『結界師…舐めないでくれるかなぁ!?』
【絶界…術者に触れた物を跡形もなく消し去る危険な技】
敵は絶界に飲み込まれ跡形もなく消し去った。術を解き、刺さった刃物を引き抜けば止まることなく流れる赤黒い液体。
血液が足りずガクッと膝をつきそのまま前に倒れこんだ。
しきりに、近くに落とした携帯からは兄の声がうるさいほど聞こえる。
なんとか最後のチカラを振り絞り携帯を手に取り声をかけた。
『うるさいよ…、いいから早く…助けに…来い、バカ…』
そういい通話を切り、携帯の録音ボタンを震える手で押した。
言いかけてた敵の特徴などこれから必要なことを録音した。
『……さよなら』
不本意だけど、いい人生だった。
そのまま最後の言葉を残し女は息絶えた。
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しろくま(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます!!五条落ちで話を進めて行きたいと思います!亀更新ですが、よろしくお願いします!⸜(*ˊᵕˋ*)⸝ (2022年3月16日 21時) (レス) id: bc6721de12 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - しろくまさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張ってください。応援しています。 (2022年3月16日 21時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろくま | 作成日時:2022年3月5日 18時