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『あーっ!もう電話出なさいよー!!』
急いで走りながら系に電話をする。
〖なんだ〗
『系!アンタ今どこ!?鈴木さんと一緒!?』
〖ああ、さっきまでな〗
『はぁ!?鈴木さんは?』
〖行った。犯人のところへ〗
『っ!ぁー!もう!馬鹿!』
それだけ言えば、電話を切り更に電源を切って斎場まで走る。
絶対に間違いだけは犯したらダメだよ鈴木さん…っ!!
暫く走れば人だかりが出来ている斎場。
外は雪が降ってきて、さらに犯人の女性らしき人の上に鈴木さんが跨り刃物を振りかざそうとしているところだった。
私は急いでその場に走り込み女の子の上に覆い被さった。
肉が縦に裂ける痛みが右肩の肩甲骨辺りに走る。
何かが抜ける感覚がすればぐっと歯を食いしばり、なんとか起き上がってうつ伏せの女性をひっくり返し着ていたジャケットを脱いでお腹の傷に当て圧迫止血を行う。
「A!?A!!」
『ミコト大丈夫、心配ないから。早く救急車と警察…』
「でも!」
『いいから!自分の体のことは自分が一番わかってる!』
そう言いつつも肩甲骨から流れる血は止まることなく自然と地面を紅く染めていく。
チッと舌打ちをして着ていたブラウスを脱ぎ、歯で引き千切り自分の肩甲骨に当たるように体に巻きつける。
「星宮さん!これ以上血流したら貴方まで失血死してしまう!」
『煩い、医大生!黙ってこっち止血する!ミコトは木林さんからありったけのタオルもらってくる!』
「わかった!!」
その後はもう、ほとんど覚えてない。
止血をして、自分の肩甲骨に服で圧迫掛けて止血して
いつ、救急車で運ばれ病院にいるのかさえもわからない。
ただ分かることはある。
めちゃくちゃ痛かったこと。
めっちゃ必死だったこと。
あー…私はいつ退院できるんだろなぁ〜…
真っ白い天井を見て思う。
あれ?デジャヴ?
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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (8月15日 14時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
光菜(プロフ) - 更新、楽しみに待っていますね! (2022年1月19日 21時) (レス) @page42 id: 994989bbfc (このIDを非表示/違反報告)
みず - 更新楽しみにしております。 (2020年9月28日 9時) (レス) id: 00d86bc4f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろくま | 作成日時:2020年9月6日 8時