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その後、一旦解散して職場に来るとミコトは毛利さん達に検査結果を伝えに行くといい警視庁に向かった。
私は私で、仕事があった為資料室に篭り仕事をする。
その後、事務所に戻ればミコト達がパソコンに釘付けになっていた。
『なに、どうしたの?』
「青森の病院からCT画像送ってもらったの」
ふーん…と呟き自分も画像を見る。
「肺がすりガラス状になってる。溺死の特徴に違いはないけど…」
『ちなみにこれいつ取った画像?』
「これ事故の翌日だから死後24時間以内のCTです」
『だったらこの画像は不自然だね。普通の溺死より肺が小さいし、解剖した時が死後5日だったから、死後経過で肺から水が抜けてしぼんだんだと思ったけど、初めからこの大きさならドライ・ドローニングの可能性がある』
「ドライ・ドローニング?」
「普通の溺死がウェット・ドローニングって言われてるのに対してドライ、今回は神経反射による溺死かも。中でも顔面反射…エベック反射とも言うんだけど、顔面から水の中に飛び込んだ時に稀に発生するの、暑い夏の日に冷たい水の中に飛び込んだ場合とかね」
「ショック状態みたいなもん?」
『そうだね。水中で脈が遅くなり、気を失った状態になってそのまま溺死。だから飲んだ水の量も少なくて肺の膨らみも小さかった。つまり、発見地点まで泳げるはずがなかった。だって、落ちてすぐに気を失ったんだから。落ちたのも死んだのも同じ場所、発見地点ってことになる』
「目撃者が嘘をついたってこと?」
『いや、それはない。目撃者のおじちゃんに会ったけど嘘ついてるようには見えなかった。しかも、おじちゃんは、足からストーンと落ちたって言ってた。つまり、誰かが果歩さんのふりをして態と海に落ちたってこと』
「警察だ、鈴木さんにも連絡しましょう!」
「もう青森でしょ?全部がわかってから県警から伝えてもらった方が」
「実はまだこっちにいて、葬儀が終わるまではって」
久部君の言葉に何故か悪寒が走り冷や汗が流れた。
『ねぇ、そういや系は…?』
「さっき誰かに会いに行くって出で行きましたけど」
『系さ、この画像みた?』
「見たよね」
『鈴木さんの携帯番号って解剖承諾書に書いてあったよね?』
「そうですね…って星宮さん!?!?」
「A!?」
『ミコトは葬儀場に向かって!早く!!』
それだけ告げて、掛けてあったジャケットを手に取り、一心不乱に走り出す。
『あんの馬鹿…っ!!!』
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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (8月15日 14時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
光菜(プロフ) - 更新、楽しみに待っていますね! (2022年1月19日 21時) (レス) @page42 id: 994989bbfc (このIDを非表示/違反報告)
みず - 更新楽しみにしております。 (2020年9月28日 9時) (レス) id: 00d86bc4f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろくま | 作成日時:2020年9月6日 8時