7-10 ページ43
テレビをじーっと見つつミコトは久部君に電話をかける。
《放火じゃなくて発火事故?》
「そう。しかも、ロープの痕は通称“子豚搬送”と呼ばれる縛り方だった」
《子豚?》
「できた〜」
『ういーかんせーい』
電話をするミコトの横で東海林と一緒にその例の本を見ながら人形を縛りあげた。
「子豚搬送こと、背負い搬送縛り!」
「消防士が使う動けない人間の救助方法。11番さんのロープ痕は火傷してからついたもの。つまり、動けなくなった11番さんを」
《町田さんがロープで背負って》
「助けだした」
《助けだした》
スピーカーで話をしていた2人はハモる。
《じゃあ、町田さんの後頭部の骨折は?》
「ん〜まあ、放火じゃなかったわけだし、火災の混乱で起きたなんらかの事故かもしれないね。火災現場行って原因は特定したいけど、天井崩落の危険性があって立ち入り禁止なんだよね」
《分かりました》
その後は久部君とミコトの連携により謎が解決した。
町田さんは、両親と喧嘩のあと自分にとっての唯一の家を家族と呼べる人たちをを守るために必死に体にロープでひとりひとり縛り上げ少しづつ運び出そうとしていた。
そしてその最中に不注意で階段の手すりに後頭部をぶつけてしまった。
『いい息子さんでしたね、これからご自宅に戻って久しぶりにご家族でお過ごしください』
「はい…っ」
それだけ伝えて応接室からでて、天井を見上げる。
『熱い中よく頑張ったね。
お疲れさん、そっちでゆっくりみんなと過ごしなよ』
__________
「あっ、来た!」
「おかえり」
『お、おかえり〜』
きっと病院に行ってしっかりとお父さんと話ししてきたんだろう。少しだけスッキリしてるような顔をしている久部くん。
「お帰り。丁度良かった。みよしのお団子食べましょう。ゴミ屋敷のヤシキさんがくれたんですよ」
「ゴミ屋敷のお団子?」
「ゴミなんじゃない?」
「失礼な事言うね。じゃ、食べなくていいよ」
「やだ〜」
『あはは!!』
289人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (8月15日 14時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
光菜(プロフ) - 更新、楽しみに待っていますね! (2022年1月19日 21時) (レス) @page42 id: 994989bbfc (このIDを非表示/違反報告)
みず - 更新楽しみにしております。 (2020年9月28日 9時) (レス) id: 00d86bc4f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しろくま | 作成日時:2020年9月6日 8時