citron 2【アンナチュラル】 (ページ40)

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「歯の治療痕からは？」

「まだ近隣の歯科医院しかあたれてません。全国に拡大して捜すとなると時間がかかるでしょう」

『まぁ、ぼちぼちだろうね』

「実を言うとUDIラボが当初の予定通り国立の研究所として全国展開していれば実現するはずでした……露と消えましたけど」

神倉さんは切なげに遠くを見つめた。

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翌日、事務所で内視鏡関係の患者がいるだの何だのとの電話を受けて話をしているのを聞きつつその内視鏡の痕そしてミコトの診断書をみつつ再度モヤモヤを晴らそと頭の中で様々な可能性を考えて考えて考えて抜いた結果ある可能性が頭に浮かんだ。

『ごめん。ミコトの鑑定をは否定するわけじゃないんだけど、これさ……もしかして日本ではレアケースの傷って可能性ない？』

再度カルテの内容をミコトに見せてそう伝える。
そうするとハッとしたように言葉を呟く。

「あれ？あっ……あっ、どうしよう…ねえ、９番さんの脇腹。内視鏡手術の痕じゃないかも」

「えっ！？」

「じゃ何です？」

「Aの言う通り日本ではレアケースの傷……A、それと中堂さんちょっと付き合ってください」

「あ？」

全員で解剖室に向かい9番の遺体をの傷跡を確認すべく袋を開ける。

「見た経験が一桁なので確信が持てなくて」

「確かに完治して瘢痕化していれば区別はつきにくい。ここは日本だしな」

『やっぱりか…あ～！モヤモヤスッキリしたぁ！！』

やったと言わんばかりに背伸びをしてスッキリとした顔をする。

「え、結局なんなの？この傷跡」

「銃槍だ」

「銃槍？」

銃槍と言った中堂の聞きなれない単語に久部君ははて？と首を傾げる。

『拳銃の弾の傷。日本では銃刀法違反ってのがあるから暴力団やヤクザ同士の抗争とかでしか中々拳銃使わないからね。
アメリカでは一部の地域で保護の為に拳銃所持が認められてるからあっちで結構見てたんだけどね』

そう久部君に伝えるとミコトは悔しさから叫ぶ。

「ああ～っ！クソっ！」

「クソ？」

「クソって」

『あらあら』

中堂の“クソ”の口癖が移るミコトに、東海林と久部君は驚き、私と系は横で少しニヤッと笑い見ていたのだった。

『よし、そうとなれば話は別！毛利さんに前歴者洗ってもらうか』

また一歩答えに近づく。