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7-4 ページ37

「犯人どこ行ったんですかね」

『あ、確かに…』

「一緒に焼けちゃった?」


東海林は首を傾げ私を見るが、私もさぁ?と首を傾げる。


「放火犯が逃げ遅れて焼死する事例があるからね」

「実は……」


向島さんは立ち上がるとダンボールを取り出す。


「生存者が見つかったんです」

『え、生存者いたんですか?』

「はい、我々は11番目の男と呼んでいます。時間と場所からして火災現場から逃げ出したとして間違いないでしょう…シャツに血がついてましたが、男性に切り傷等の外傷はなし、これが誰の血か焼死体の中で一致する人物がいないかどうか調べてください」


そう言って袋に入った血塗れのシャツを取り出し見せてきた。久部君はそのシャツを見て呟く。


「これが9番の血だったら」

『11番の男が犯人候補Number one!で、その11番目の男性の身元は…?』


人差し指を立てると得意げに言い、毛利さんに問いかける。


「11番目の男は身元はまだ不明です」

「火傷の状態はわかりますか?亡くなった10人の火傷の状態と比べることが出来たら状況の解明の手がかりになります」

「そう言われると思ってね。病院に捜査協力の依頼したら教授先生が“直接ここへ来る”って言い出して」

「「『ここへ?』」」

「ここへ」


毛利さんが頷くと、事務所に所長の声が聞こえてきた。

「いらっしゃいました」

 
所長の横にはスーツ姿の威厳たっぷり、怖いイメージといった男性が立っている。

ん…?どこかで…。


「帝日大の久部先生です」

『ん?』

「「くべ?」」

「久部くんのお父さん」

「愚息がお世話になっております」

そう言って久部の父は頭を下げた瞬間思い出した。


『あ、思い出した!久部先生!お久しぶりです!覚えてらっしゃいますか?』

「ん…?あぁ、星宮先生じゃないですか!お久しぶりですその節は大変お世話になりました。お父様はお元気で?」

『えぇ!とても元気ですよ。また、ご一緒にお酒を呑みたいと』

「嬉しい限りです、またお伺いしますよ」


久部パパに近づき握手を交わす。


「えっと…どういうご関係で…?」


恐る恐る所長が私達に聞いてきた。


「あ、すみません。実は数カ月前、アメリカのハーバード大学にお伺いした際に色々と案内して下さったんですよ」

「え!Aってハーバード出てるの!?」

『うん、あれ?言ってなかったっけ?』


「「聞いてない聞いてない」」


おろ……。

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設定タグ:アンナチュラル , 中堂系   
作品ジャンル:恋愛
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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (8月15日 14時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
光菜(プロフ) - 更新、楽しみに待っていますね! (2022年1月19日 21時) (レス) @page42 id: 994989bbfc (このIDを非表示/違反報告)
みず - 更新楽しみにしております。 (2020年9月28日 9時) (レス) id: 00d86bc4f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しろくま | 作成日時:2020年9月6日 8時

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