citron 2【アンナチュラル】 (ページ25)

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視聴者数はシェアされてきているのか、200人代からすでに908人と千人近くの数字になってきていた。

「視聴者数めっちゃ増えてますね」

「まずはご遺体が本物か確かめないと」

『そうだね』

「Ｓくん、ご遺体をカメラで映して」

『ミコト、これ生中継』

「目だけ。目だけ映して、アップで。瞳孔を確認させて。話はそれから」

〖いいですよ〗

白井君はカメラを動かしY君の姿が映し出され系もパソコンの画面に近寄ってきた。

「背中が破れてる。１、２、３箇所。紺色に紛れて分からないけど、背中全体が血で染まってるようにも見える」

白井君はＹ君をうつ伏せから仰向けに変えた。

『硬直が進んでるね…死後１２時間以上。久部君パソコンで入力していって』

「はい」

久部は横でパソコンにミコトとAが言った所見を入力していく。そして、カメラはアップで目を映す。

「瞳孔が開いてる……角膜が軽度の混濁。瞼を閉じた状態で今の季節なら…」

『死後１５時間から１７時間』

現在時刻は１１時過ぎ。

『死亡推定時刻は昨日の夜８時から１０時』

「じゃあ、やっぱり……これ」

「亡くなってる。本物のご遺体」

ミコトはスマホを耳に当て話しかける。

「Ｓくん、背中に傷があるみたいだけど、見せてくれる？」

〖見せてもいいけど、ギャラリーがもっと増えないと面白くない。視聴者が増えたら１つずつヒントをあげます。ヒントは全部で４つ〗

白井君はパソコンの前に座り直し指を４本立てて数字を表した。視聴数は1033人。

〖1000人超えを記念して第１のヒント。Ｙくんを殺したのはここじゃない。別の場所です。次のヒントは30000人〗

「別の場所……」

それだけのヒントを残し電話を切られた。

「あっ、さっき遺体の足が見えた時」

久部君は何かを伝えようと録画した動画を巻き戻してみせる。

「これ…上履きですよね…？」

『そうだね…ねぇ、ミコト』

「なに？」

『どうやって白井君と知り合ったの？』

「えっと、アキちゃんの所に通ってる生徒さんで…」

『なら、早く弟に電話！学校わかるでしょ！』

「え！あっ！そっか！！」

ミコトは急いで弟に電話を掛けて白井君の学校を確認した。