citron 2【アンナチュラル】 (ページ3)

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ピンポーンとインターホンがなれば来たかと、先に夜食となるおかずや味噌汁を作っていた手を洗ってタオルで拭き、玄関に向かう。
そして、玄関のドアを開けてニコッと微笑む。

『おかえり、ミコトはいらっしゃい』

「ただいま」

「お邪魔します…」

どーぞと手招きをしてミコトを中に入れれば念の為に鍵をかける。

「めっちゃいい匂い…」

『夜食先に作ってたからね、系、鮭フレークとふりかけ先に頂戴』

「あぁ」

自分の荷物をソファーに置いてテーブルの上でガサゴソと袋の中身を漁っていると急に声を上げた。

「肝心の物が足りない！」

『なに！？鮭フレーク忘れた！？アンタの好きなやつ！』

「違う、それは買ってきた」

ずいっと渡してきたのでしっかりと受け取れは何を忘れたか問いかけた。

「顕微鏡を忘れた…」

「あ……」

『1台ならあるけど？』

フレークをキッチン置いて、大きめのプラボックスを持ってくれば1台の顕微鏡が。

「持ってたのか…」

『え？普通じゃない？』

「普通じゃないよ…それにこれ最新！？」

『そうだね。ということで、ここには1台あるけど残り2台は流石に調達して下さい』

ほれ、と系に携帯を渡す。

「…チッ」

ーーーーーーーーー

数時間後…

「中堂さん。久部です。あの、顕微鏡持ってきましたけど、メッチャ重いしかなり、あの、泥棒っぽいんですけど」

『いらっしゃい、態々ゴメンねーありがとう！どうぞ入って』

「あ、お、お邪魔します…」

ペコッと頭を下げて中に入れば床にブルーシートが引かれて様々な道具が並べられておりテーブルには1台の顕微鏡を覗き込むこの部屋の主がいた。

「遅い」

『そんなこと言わない！ごめんね』

「あ、いえ…」

「あ、久部君！いらっしゃい」

「えっ！三澄さん！？」

「あのね、鈴木果歩さんがどの地点で亡くなったのか、果歩さんの胸腔液と、入水地点と発見地点のプランクトンを比較する……所長に内緒でまだ調べてるの」

「あ、なるほど…。手伝います！顕微鏡どこに置きますか？」

「あー…A、テーブル出してくれ」

『んー？あ、足りない？はいはいー』

スタスタと廊下を歩き折りたたみのテーブルを準備すればリビングにセットをする。

『はい、どーぞ！久部君もあとで夜食食べていってよ。味は保証しないけど』

「あ！ありがとうございます！」

そして、顕微鏡が増えた事により検査が進んでいく。