5-6 ページ15
『なんか、うまく行きそうだね』
「あぁ」
あれやこれやと交わしている所長にホッとしてからソファーに置いていた鞄を持ってそのソファーに座る系に声をかけた。
『ちょっと東海林心配だから行ってくるね』
「…まぁ、いいだろ。つか、そのまんまだと寒いだろ。俺のジャケット着て行け」
そう言いグラスグリーン色のジャケットを投げ渡される。
『ありがとう、じゃあ行ってくるね』
ジャケットを着て手を振りコソコソと裏口から出て東海林の所へ向かう。
その際に一件の電話をかける。
『あ、もしもし。すみません星宮です。実はお願いがあって……』
ーーーーーーーーーー
『あ、いたいた!』
ラボから出てからミコトに電話をしてどこにいるか聞いたところ近くにいた為すぐに合流できた。
そして、バイタルデータを二人分撮ってきたというので一緒に確認し、すぐに系に電話をかける。
『あ、もしもし?系?あのさ系の考え教えてほしいんだけど。さっき、ミコトと東海林が権田原さんと細川さんのバイタルデータ写真に撮ってきて見てるんだけどなんか、変に心拍数上昇してんだよね』
〖心拍数の上昇?〗
『そう、亡くなった2人とも呼吸停止の3分くらい前から心拍数が上がってるんだよね…それに伴って呼吸数は低下、血圧は上昇、心拍数がピークになって呼吸停止って感じかな?』
〖それで?〗
『それから2分ほど心臓は動いていたが酸欠のまま死亡。おそらく何らかの刺激が与えられてた可能性が高い。まぁ、それが何だか分かんないけど……。あっ、系ちょっと待っててね』
何かを思い出して携帯を耳から離し、隣に座ってるミコトに話しかけた。
『ミコト、東海林の耳と手首に発赤ある?』
ミコトは言われたとおりに東海林の耳の裏と手首を確認するが、そこには何もなかった。
『ねぇ、その岩永さんって人の手首って綺麗だった?』
「うん、綺麗だった」
『てことは…亡くなった2人にだけ発赤がある…。系、これってもしかして』
〖……ああ、あり得なくはないが確認のしようがないな〗
『あ、それなら大丈夫』
〖は?〗
そんな会話をしている中堂の近くでは解剖室の外で東海林と同じバイタルデータの時計とイヤーカフの入った袋を持ってる毛利達がいた。
『私が電話しといた。仲良くしてね?』
「段取りがいいな」
『でしょ?でも、条件で一緒に今度食事する事になったから』
〖あ?なんだそれ!聞いてないぞ!〗
『今言った、んじゃね』
〖ちょっ、まっ!〗
ピッ
289人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (8月15日 14時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
光菜(プロフ) - 更新、楽しみに待っていますね! (2022年1月19日 21時) (レス) @page42 id: 994989bbfc (このIDを非表示/違反報告)
みず - 更新楽しみにしております。 (2020年9月28日 9時) (レス) id: 00d86bc4f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しろくま | 作成日時:2020年9月6日 8時