citron 2【アンナチュラル】 (ページ14)

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プルルルル…

所長が慌てて弁護士へ電話しようと来た時、事務所内に電話が鳴り響いた。

「……内線」

『私取るよ』

冷静にがちゃっと受話器を手に取って耳に当てる。

『はい、UDIラボの星宮です』

〖お疲れ様です。受付からなんですが警視庁の方々がお見えになってます。お通して宜しいですか？〗

『あ、はい。よろしくお願いします』

しろくまは受話器を置くと、ニコッと微笑んだ。

『警視庁の方々が、お見えになってます』

「ええ！？」

「どうしよう！？」

「どうしましょう！？」

「ま、間に合わない、もう」

「で、電話して、」

『いや、もう下に来てるし』

「…まずい！」

系は東海林の肩を抑え付けそれに釣られて皆もその場にしゃがみ込む。

「立つな！一旦逃げろ」

「はあ！？」

「どういうこと！？」

「今の状況で任意同行に応じたら、クソつまらん理由で勾留されてやってもいない罪を自白させられる」

「やってないのに？」

「死体に慣れてるから人を殺せるだの何だの訳の分からんクソでっち上げストーリーを密室で毎日毎日念仏のように唱えられてみろ！クソほどの体力、気力、根性がなきゃ挫ける！」

『東海林、体力気力根性ある？』

「どれも全然ない！」

「だからって逃げたりしたら」

『バレないように誤魔化せばいいんじゃない？』

「東海林が逮捕されたら補助金どころかUDIが吹っ飛ぶ」

はっという顔をして顔を青ざめさせる所長。

「すみません、どなたかいらっしゃいませんか？」

『あ、来た』

「行け！」

系の指示に東海林は素直に四つん這いのまま裏口から出て行き、とりあえず私達は立ち上がると所が系に耳打ちする。

「誤魔化すって？」

「さあ？」

「さあ？って！」

「警視庁捜査二課の小早川です」

「捜査、二課」

「東海林夕子さんは？」

この場は所長に任せて系と一緒に知らんぷりを決め込んで所長室に入る。そして、陰ながら様子を伺う。

「それがですね、東海林は昨日の事件で大変大きなショックを受けておりまして、とても仕事が出来そうにない、今日は休みなさいと私の判断で帰らせました！」

「では、自宅に？」

「それがですね、昨日の事件で大変大きなショックを受けておりまして、とても１人でいられそうにないとことでボーイフレンドの家に行きました！」

「その人の名前と住所は？」

「そんな部下のプライベートを上司の私が知る訳ないでしょ！セクハラで訴えられてしまいますよ！私は厚労省出の……」