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「本当にごめんね!何かお礼するから!!」

「む?何もしなくていいぞ。俺がやりたくてやったことだからな!」

「優しさに惚れそう…」



私が何故謝っているのかというと、突然決まった引越しに青ざめていた所、それに気づいてくれた煉獄先生が休日返上でわざわざ引越し作業を手伝ってくれた、というわけだった。

家賃安いから怪しいとは思っていたがあと一週間で取り壊しと確認のように言われ、本当にサーっと青ざめた。

まあ私がうっかり書類を見落としていたのが原因なんだけど、そこに手を差し伸べてくれる煉獄先生は神としか言いようがない。



「でも何かお礼をさせて。そうでないと申し訳が立たない」

「そうか?じゃあ……」

「ど、どうしたの?」



考える素振りをしたあと私を見てにっこりと微笑む。なんだなんだと不安がっていると「Aに、」と口を開いた。

久しぶりのその呼び方は何ともむず痒くて余計に私の不安を煽った。ごくりと唾を飲み込むとまたにこりと笑う。



「夕飯を作って欲しい!あっ!負担になるようなら断ってくれて構わないのだが!」

「…おっ安い御用だよ!溜めて言うから何言われるかドキドキしちゃった」

「それはすまない」

「全然。ご飯、何が食べたい?やっぱりさつまいもを使ったもの?」

「とても嬉しい!」



目をキラキラさせてこちらを見る煉獄先生に久々に子どもっぽさを感じた。



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作者名:ゆゆ。 | 作成日時:2020年2月21日 0時

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