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「久々すぎる!」
「…はしゃぎすぎんなよォ」
「大丈夫ですよ!」
現在地、観覧車中。
割と真面目に視察していたのだが、観覧車からの方が見えるものもありますよと謎の言葉で押しに押しまくって半ば強引に乗ることに成功した。
不死川先生は腕を組みながら外を眺めている。傷だらけだけれど、整っている顔やガタイの良い体つきが相まってとても絵になる。それに今日は、
「言うタイミングを逃していましたが私服姿、素敵ですね」
「…どーも」
「先生実は隠れファン多いんですよ。女の子に紳士的だから」
「…」
「まあ私と宇髄先生がダントツですがね」
「知ってる」
「ムフフ。学校での私は完璧ですから」
「…自分で言うかァ」
「自他共に認めるってやつですよ」
地上から遠ざかってだんだんと私たちのいた場所から離れていく。久しぶりなのもあいまってか別世界に来たような、なんだかとても不思議な感覚だった。
「やっぱり観覧車って雰囲気ありますね。不死川先生が恋人だったらちゅーの流れですよ」
「…お前ほんとぶっ飛んでんなァ。いくら顔が整ってても彼氏まともに出来たことねェだろォ」
「顔が整っていると認めましたね?いやあ不死川先生にそう言っていただけるなんて嬉しいです♡」
「スルーすんな」
「……まあ1人くらいはいましたよ。けど外見ばっかりで中身でがっかりされて。…可愛いから外見で寄ってくるのはしょうがないんですけど!」
私らしくもない。やってしまったと不死川先生の方を見れずに俯いていると手が伸びてきて、その手がくいっと顎をあげ、ぎゅっと頬を摘んだ。
「ちょっ、何するんですか?!」
「…フッ、不細工だなァ」
「…………そんなこと言われたの初めてなんですけど」
「整っててもこんな不細工な顔でもなァ、お前の中身だけを見てくれるヤツも少しくらいはいるだろうよォ」
「……不死川先生とか?」
「馬鹿かてめえは。俺はお前みたいなガキは眼中にねェ」
「一つしか歳変わりませんけど!?というより!私のこと不細工といった罪は重いですよ!?」
「へえへえ」
私の中身だけを見てくれる人。いつか現れてくれるだろうか。
その言葉ただ一つでトラウマを軽くしてしまうなんて先生は流石だ。
まあ昔の傷抉りにきたのは先生なんだけどね!!!
それでもやっぱり不死川先生は優しい人だと、そう思う。
その優しさにつけこんで夕飯(焼肉)奢ってもらっちゃいました☆
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作者名:ゆゆ。 | 作成日時:2020年2月21日 0時