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「わあっ！花火綺麗〜」
「そうだな」
漸く始まった花火を花壇の縁に腰掛けながら眺める。
見回りと言うだけあって着物を着てめかし込んだ生徒たちや宇髄先生らとも会い、色々言われたりもしたが屋台飯とこの綺麗な花火で帳消しだ。
「あっ！今の見ました！？狐みたいな花火っ！かわい〜！」
「ああ」
「写真撮りたかったなぁ。…あっちょっと待って！またきたっ！うわわ！まだカメラの準備してない〜」
「……ふっ」
「…」
「なんだ？」
「えーっと先生笑ったなぁって」
「俺も笑う。成瀬の前でも笑ってるだろう」
「そりゃあそうなんですけど！その笑い方は激レア過ぎて！久々すぎて！ちょっと驚いたんですぅ！」
「そうか」
伝わっているのかいないのか、はたまた反応が薄いだけなのか。昔より先生は能面だし厳しいし塩だ。
けど、柔らかい笑顔は昔と何ら変わってない。
「冨岡先生もっと笑ったらいいのに。先生、とっても綺麗でした」
「綺麗？」
「今日は花火がとても綺麗だけど、それに負けないくらい先生の笑顔が綺麗で素敵だと思ったんです！」
「…そうか」
やっぱり特別な反応はない。けれど心なしか嬉しそうな冨岡先生に私はバレないようにふふっと笑った。
ー翌日ー
「先生たち〜！昨日2人で花火大会いたんだよね！？付き合ってるんでしょ〜！」
「…俺たちは付き合っているのか？」
「あはは、違います」
「えー！でもでも！何かあったりとか！」
「何か…昨日成瀬が俺の笑顔が花火より綺麗だと…」
「マジ！？成瀬ちゃん遠回しの告白っ！？」
「本当に綺麗だったんですよ？他意はないです」
しばらく噂が流れた。
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作者名：ゆゆ。 | 作成日時：2020年2月21日 0時
