遅すぎたんだ。【爆豪勝己】 (ページ6)

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後悔したって、もう遅い０５ページ6

　
　
つまんねー。
なにがって、全部が。

俺から見た改治の存在は、思っていたよりもバカみたいに大きかったらしい。
なにかが足りないような、不安なガキの気持ちになる。

「かっちゃん」

「あ゛？なんだよクソナード」

顔も向けずに答える。

デクの顔はわからねぇが、声からして、真剣な話なんだろう。
聞く気はさらさらねぇが。

「いいの？」

「は？」

「ずっとずっと好きだったちーちゃんをとられても、いいの？」

ちーちゃん。
デクが呼ぶ、改治の名前だ。

「ねえ、轟くんね、たぶんちーちゃんのこと好きだよ。両想いになっちゃうよ」

「っっ黙れ……」

言葉の１つ１つが、重い。

「ちーちゃんは、ずっとかっちゃんが……」

「うるせぇなぁっ、黙れっつってんだろ！？」

ガッ、とデクの胸ぐらをつかんだ。

こんなの、八つ当たりだってわかってる。
胸糞わりぃが、今回の件では、デクは悪くねぇ。

「しょうがねぇだろうが！」

「なにが？ねぇかっちゃん。ちゃんと自分を見なよ」

「やめろっつってんだろうが！！！」

片方の手で爆発を起こしても、デクは怯まない。

あぁクソ、きもちわりぃ。

「やめない。僕は君に言わなくちゃいけない」

「っ、」

「もう気付いてるんだろ？ちーちゃんのこと、好きなんだよね？」

その質問に、否定も肯定もしない。
ただ、胸ぐらをつかむ手の力をぎゅっと強めた。

「……じゃあ、言えよ」

「は？」

「ちゃんとっ、ちーちゃんに気持ちを伝えろよ！これは、この問題は、ちーちゃんはちっとも悪くないんだ！」

いつかの基礎学で見せた、真剣でムカツク顔。

だが言われたことは、案外素直に心のなかに沈みこんできた。

「君が悪い！だからちゃんと謝って、告白しろよ！！」
　
　
　