Episode 27 *。゚ ページ27
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────いきなり…どうしたんだろう…。
大貴「あ、ごめん。」
「ううん、大丈夫です…」
さっきまで私を抱きしめていた腕が離れた。
大貴「ちょっと外出ない?」
「あ、はい。」
寝ている涼介を一見して起きないことを願い、
私達は近くの公園へ行った。
ベンチに腰をおろすと現実を突きつけられる。
大貴「考えてくれた?」
「あ…告白、ですか?」
大貴「うん。」
「はい、考えてはいます。」
大貴「俺さ、涼介に負けたくないんだ。」
「え?」
────"負けたくない"…?
大貴「俺、好きな人では涼介に負けたくない。
それだけは絶対に譲れない。
特にAの事になったら。」
「…。」
────分かってる。これが有岡大貴だ。
この人は優しい。
多分この人はアイドルになって、
色んなことを妥協してきた人なんだ。
「好きです」
大貴「…え?」
「私も大貴のこと好きです。」
────え…何言っちゃってるんだ私は!!
今言うことじゃなかったよ?!
もう…なんで私はいつもこうなの…。
「あ、あの!ごめんなさい!私帰りまっ…!!」
帰ろうと背中を向けた瞬間。
後ろからまたさっきの腕で抱きしめられる。
そして囁かれる声。
大貴「俺も。Aの事好き。大好きだ。」
やっぱりこの腕は私のことを安心させる。
「あ。」
ふと顔をあげると視線の先には
いるはずの無い涼介の姿があって。
大貴「え?」
素早く離された腕。
涼介が目の前でこんな切ない顔をしている。
涼介「なんだ…そういう事か…
言ってくれれば…よかったのに…。」
大貴「涼介…いつから…」
涼介「なんで...言ってくんなかったの?
俺、そんな頼りなかったかな?」
無理した笑顔でだけど綺麗な顔で私に問う涼介。
涼介「俺ってAのなんだったの?」
「…ごめん。隠しててごめん!
でも、涼介…私に気遣うと思ったから…」
涼介「それって俺のため?俺が優しい?俺が気遣う?
…そんなこと出来るわけないじゃん。
なんで俺の気持ちは無視なの…?
俺だって…Aのことが好きなんだよ…」
────…え?私のことが、好き?
私は、今、素晴らしく迷いに迷って、
後悔しています。
────大貴と涼介が私のことを好き…??
こんな経験初めてで、
私なんかがアイドル様から好かれる日が来るなんて
思ってもいなかった。
────これからどうなっちゃうの…
*
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作者名:MÏαyα | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miayahome1225/
作成日時:2016年10月29日 22時