17.4cm ページ48
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周りにはよく「彼女大丈夫?」なんて言われるけど、彼女が離れていくとは考えてこなかったから、それを表に出すことは無かった。
でももう、こんなことになるなら、無駄に大人ぶるのはやめる。
嫉妬したときに嫉妬したって言う。
傍に居てほしいときに傍に居てって言う。
ハグしたいときにハグしたいって言う。
好きって言いたいときに、好きって言う。
fkr「好きだよ、A。ずっと一緒にやって来た仲間に嫉妬しちゃうくらい、Aの事が、大好き」
「……わた、しも……拳くんの、こと、大好き……拳くんの隣は、私が良い……っ」
fkr「うん。俺の隣はAだけだよ」
そう言うと、今度は彼女の方から俺の胸に飛び込んできて、なんとか後ろに倒れないよう持ちこたえる。
ぎゅうぎゅうと腕に力を込めるAは、嗚咽を溢しながら、途切れ途切れに言葉を紡いでくれた。
「けんく、こと、しんじるからぁ……ッ、だから、どこにもいかないでぇっ」
fkr「あはは、もう、泣きすぎ。そんな泣かなくても、どこにも行かないよ」
kwmr「はーいいちゃつくなら外行ってやれー」
fkr「あ、河村。今日俺も泊まっていい?」
kwmr「お前ら二人揃ってほんと図々しいな。まぁ、今は僕しか居ないから良いけど」
―――結局その日の夜はなんだかんだ優しい河村に甘えて、三人で下に敷布団をひいて、修学旅行のように川の字に寝転がった。
勿論、真ん中は今回のMVPである河村で。
彼は「リア充に挟まれるほど苦痛なことはない」とか文句を言っていたけど、最終的には「まぁ良かったよ」と言って眠りについていた。
「むらさん寝るの早い」
fkr「よっぽど現実世界に居たくないんだろうね」
kwmr「聞こえてるからなー」
「寝てなかった」
fkr「寝てなかったね」
kwmr「ほんとなんで僕を真ん中にしたんだお前ら」
翌日、朝起きたら俺とAに両方から抱き締められていた河村が「もう二度とお前らとは寝ない」と言っていたのは、また別の話。
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白菜(プロフ) - SALTさん» いえいえ、私なんてまだまだぺーぺーなので見つけられなくて当然です。こんな数ある作品の中から私の作品を見つけてくださっただけでも光栄です。fkrさんの小説は他の方もかなり面白いお話を書かれてるので、是非探してみてください!コメントありがとうございました! (2021年4月2日 17時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 花蓮さん» ありがとうございます! (2021年4月2日 17時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
SALT(プロフ) - 白菜さんの作品を見ながらなんでこんな神作者様と神作品を見つけることが出来なかったんだろうとorz←の形でコメ打ってます((問打の方々ではあまり見ない方の小説でしたが面白かったです!遅くなっていますが完結おめでとうございます(*´ω`*) (2021年3月30日 10時) (レス) id: 17a3f4fea4 (このIDを非表示/違反報告)
花蓮 - 本当に素敵なストーリーでした!福良さん… (2020年9月27日 21時) (レス) id: b11d0cfa2b (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - 白菜さん» そうなんですね(笑)一言一句漏らさないように読んでいたのに(ストーカーかよ)興奮のあまり見逃していたのかと思いました…実は太田さんの方の「おまけ」を見て読み直したくなったんです…。あ、因みに私、2回目どころじゃないと思います、なんなら暗唱できます(やめろ) (2020年9月6日 21時) (レス) id: ea0b227b7d (このIDを非表示/違反報告)
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