【ONE PIECE】標的を、射止めて。 (ページ7)

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初日から問題発生ページ7

煌びやかな店内、勝利に喜ぶ人、大敗して項垂れる人。
私もカジノは一度行った事があるが、どうもこの雰囲気は得意ではない。

まぁそんなことも言ってられないから、早速清掃にとりかかろう。

「あ、君。ボスから話しは聞いているよ。Aちゃんだよね？」

どうやらこの人は社員さんらしい。

「早速清掃をしてもらいたいんだけど、まぁ難しくないから！初日だし、床だけ磨いてくれればいいよ」

「え、床だけでいいんですか！？」

「今日はあまり汚れていないしね。バナナワニの餌やりの方が時間かかるかもよ？」

親切そうな社員さんはへらりと笑う。なんていい人…！！

「じゃあ一生懸命に！磨いてきます！」

そう言って、なんだかスタイリッシュなモップを受け取る。これもお仕事、しっかりこなさないと！

そう、思ってたんだけど。

「姉ちゃん清掃員か？可愛い顔してるじゃねぇか」

開始3分で絡まれるという事件が発生。顔が赤く、アルコールのキツイ匂いが鼻を掠める。

「どうだぁ？姉ちゃんも一杯！俺たちと楽しもうぜ！」

「いえ、飲み屋じゃないんですから…」

引きつった笑いで御遠慮。しかしお客さんの勢いは止まらなかった。

「いいから飲めェ！俺の酒が飲めねェってのか！」

「えっ、うわっ！？」

男はサービスドリンクの酒瓶を、あろうことかそのままAの口に突っ込んだ。
喉に無理矢理流れ込んでくるお酒にむせ返るも、瓶が口から離れてくれずだらしなく口から零れていく。

「ゲホッ……まっ、ごふっ！！」

女性としてありえない咳き込み方だとは思うけど、喉が焼け尽きそう。
しぬ、これしぬ！！

流石に周りも騒ぎに気付いたのか、視線が痛い。

「おっ、お客様！困ります、それは……」

「うるせぇ！！みんなで楽しくやろうとしてるだけじゃねェか！」

さっきの社員さんが止めに入るものの、聞く耳持たず。

あ、なんだかくらくらしてきた。

Aは目が虚になり、顔を真っ赤にしていく。

「お客様……！」

社員が武力行使に出ようとした、

まさにその時。

「清掃員が酒を床に零すとは、仕事の１つもできねェのか」

不機嫌そうに呟くその男は、現れただけで周囲の人も酔っ払いの男も怯ませた。