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驚瀾side
侍女に甘えるAは、僕と同い年の子供。
普段は大人びていて同い年ということを忘れてしまうが
やっと年相応の姿を見れた気がする。
夏夜「…驚瀾様、もう大丈夫です。後は手を握っていてあげて下さい。」
驚瀾「わかった」
ベッドに運びおろしてすぐに手を握る。
辛そうな眠りだ。
夏夜「…では、私は伝言と見張りをしてきます。……A様を宜しくお願い致します。」
驚瀾「そんなに畏まらなくて良い。他国の皇子とはいっても今は人質の身だ。それにA様の侍女なら許す」
夏夜「ふふ、本当にお優しい方です。安心いたしました。改めてAを…宜しくお願い致します」
足早に下がる侍女。
名を呼び捨てにするほどの関係なのか。
だが少し雰囲気や顔が似ているような…
いや気の所為か…。
貴方「うぅ……」
また怖い夢でも見ているのだろうか。
一体どんなつらい思いをして生きてるのだろう。
僕も育った環境はあまり良くない。
人質に出されるほど愛されてはいなかった。
だが、彼女ほど苦しむ程ではない。
貴方「はっ………」
驚瀾「!どうした?」
貴方「っ……」
震えながら僕に抱きつく彼女。
僕と同い年とはいえ身長は小さく身体も細い。
所々にアザがあるのが確認できる。
驚瀾「大丈夫。僕も居る。外には君の次女と僕の護衛もいる。安心してください。」
貴方「ごめんなさい……迷惑かけて……」
驚瀾「迷惑なんて思いませんよ。」
彼女を守る。
僕が人質じゃなくなると同時に彼女を連れ出そう。
例え、この国を敵に回してでも彼女を守りたいんだ。
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作者名:愛姫 | 作成日時:2023年12月6日 14時