月と花【転生皇女は人魚姫でした】 (ページ1)

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花の都として有名な花ノ宮国。

四季の花が年中咲き誇り美しい国として注目されている。

そんな国の第3皇女琳・A。
花ノ宮国1の美女皇女で大事にされている。

そしてそんな彼女には想い人が居る。

他国の人質として花ノ宮国に居る燕・驚瀾皇子。

貴方「驚瀾いる？」

　
彼の玄関でそう問えば
すぐに門を開けてくれる。

驚瀾「今日も来てくださったんですか」

貴方「毎日遊びに来るって約束したもの！」

驚瀾「っ…また怒られても知りませんよ」

貴方「良いの！私は驚瀾とお友達だもの。」

そう友達。
私達はこれ以上の関係を許されないのかも。

それでも私は彼が好き。

誰に何言われてもこの気持ちだけは消したくない。

驚瀾「…暗い顔をしてどうしたんですか？また何か言われましたか？」

貴方「！ううん、何でも無いよ。それよりこれあげる！私が作ったクッキーよ！」

驚瀾「いつもありがとうございます。本当は不器用なのに無理しないで下さい」

絆創膏だらけの手を見て悲しそうに言う彼。

皆彼に近づくなと言うけど

悪い人じゃないの。

貴方「…こんな傷、驚瀾が負ってきた傷に比べたら痛くもないわ。私は…あなたの笑顔を見ていたいの。ずっと側にいたいの」

驚瀾「お気持ちは嬉しいです…ですが僕は人質の身ですよ。A様が罰を与えられてしまいます。」

貴方「っ…貴方のために受けるバツなら痛くないもの。」

彼は私の気持ちを私のために受け入れてくれない。

皇女って息苦しい。