私の好きな色【三途春千夜】 (ページ16)

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貴女「……また…」

夜になると思い出してしまう過去

好きな人に言われたひどい言葉

家族を消したあの日の記憶

もう気にしてはいないはずなのに

身体や脳は覚えてるみたい。

近くにあったカッターを手に取り

手首に構えるがその先にはいけない

傷つければ楽になるかも

でも痛いのは怖くて

手が震えてしまう

バァン！！

貴女「え………」

三途「！…お前、何してんだ。」

ズカズカと部屋に入り込み
私が持っていたカッターを取り上げた

貴女「…切る勇気なんてないよ。ほら」

両腕をみせるとホッとした顔

どうして。

私は仕事仲間でしょ？

あんたたちが遊んでる女よりも魅力のない私。

興味ないでしょ？

三途「…切れそうなもの全部没収な。」

貴女「……わからない」

三途「は？」

貴女「春千夜にとって私は“ただ”の仕事仲間…でしょ？…どうして春千夜がそんな悲しい顔をするの…？」

期待させないで

好きさせないで

おねがい

ここで仕事仲間だとこたえて

三途「お前が好きとか言ったら信じてくれんのかよ」

貴女「っ……信じない……信じたくない」

好きって言われ

頭に出てくる元彼たちの言葉

『よごれた手で触れんなよ』

『顔だけだよなお前って』

どうせ誰も

本当の私を見てくれない