私だけの優しい王様【影山飛雄】 (ページ9)

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煩いアラーム音で目が覚める。
今日は休日で昨日の練習試合の疲れが取れていないのか身体が怠くて重い。

まだ寝ていたい気持ちを押し殺してベッドから出て身支度を始める。
今日は従姉妹たちとの集まりがある。

正直行きたくない。
私がバレーをやめて…いや辞めさせられてから顔なんて合わしてないし。

一応飛雄もお呼ばれしてるから来てくれるけど
それよりも不安な気持ちが勝ってしまってる。
両親も今の私を応援してくれているけど

本音はどうか知らない。

母「Aー？起きてる〜？」

貴方「………お母さん」

バレーボールに触れようとした手を急いで引っ込める。
そんな私を見た母は優しく微笑んで私を抱きしめてくれた。

母「私達はAが本当のことを話してくれるのを待ってるからね。貴方がしたいことをすれば良い。今日だって行きたくなかったら断わるわよ？代わりに飛雄くんとお家パーティーしましょ！」

貴方「っ……ぅん………っ」

母「ふふ、お母さんもお父さんも貴方が本気でバレーを嫌いになったなんて信じてないんだからね。じゃなきゃマネージャーなんてしないでしょ！」

なんだ。
私の勝手な思い込みだった。
お父さんもお母さんも私を待ってくれてるんだ。

あの日、笑顔に誤魔化した私の気持ちを話すのを。

『私…バレー嫌になっちゃったごめんね…』

あー言うしかなかったんだ。
あの日の私はあの言葉を発するので精一杯だった。