君の隣【乃木ルカ】 (ページ33)

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暫く進むと見るからに怪しい場所に出てきた。

今通ってきた森よりも更に薄暗く、人が通った形跡も感じない。

思わず足がすくむ。

棗「…大丈夫かよ」

貴方「だ……大丈夫…行こう」

慎重に森を進んでいくとゾッとする物がある。

それは石になった動物たち。

さっきまでは動物たちが元気に走り回ってる光景だったのに、ここは動いてる動物が居ない。

棗「！チッ伏せろ!!」

貴方「っ……メデューサのアリス？！こんなことできるの？！」

アリスを木に宿すなんて聞いたこと無いわよっ。

あちらこちらからメデューサのアリスが飛んできて前に進めずイライラする。

ペンギーには結界を張ってあるから余計なことをされても気にする必要はない。

棗「おい影っ」

翼「ああっ？！誰がハゲだ、コラア！？」

貴方「先輩のアリスで何とかなんないんですか？！っ……」

ルカ「ぶなっ…」

流石に他のアリスを使用したままは辛かったのかも。
足元がふらついて、またもやルカに支えられる。

翼「お前ら！そのままくっついとけよ！」

貴方「えっ」

どうして？そう聞き返す前に翼先輩が蜜柑と棗を連れて私を抱きしめて地面に手を当ててアリスを使った。

森一体が静まり、光線も飛んでこなくなった。

一先ず安心した私達は再び足を動かして先を進む。
時間がない。

大切な仲間の命が危ないんだ。
止まってる暇はない

それに私の体力もいつまで持つか分からない。

棗「おい…このままダラダラ捜すだけだと日暮れるぞ」

翼「つってもな…」

皆の顔には疲労が出てきていた。
棗も顔色があまり良くない。

動物達が穴から食料をもってきてくれるから、食料に問題はないけど、これだけ歩いても手がかりが……

貴方「…待って…。穴よ！私達が穴で学園からここへ来たように、この森にも穴があって移動できるはずよ！動物たち、何か知らないかしら？！」

ルカ「っ、やってみよう！」

その後、わたしたちは穴探しに没頭したが手がかりは掴めず寝床を探すことにした。