君の隣【乃木ルカ】 (ページ19)

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story19 ページ19

ルカside

ベッドでぐったりと眠るA。
顔も赤く、息も荒い。汗も凄くかいてて辛そうにしている。

棗も心配そうにAを見てる。

ルカ「…いつも強がってるんだな。Aも棗も…本当は怖くて辛くて逃げ出したいのに」

棗「……別に……俺はそんなんじゃ……」

気づいてるのに
二人の苦しみに気づいてるのに俺は何も出来ていない。
今だって見てることしか出来ない。

何か少しでも役に立ちたいのに。
二人の負担を減らしたいのにっ。

鳴海「お、まだ眠ってる♡」

薬を持って戻ってきた鳴海は、まっすぐにAの側まで行き頭を撫でた。
鳴海は基本、俺たち生徒と距離が他の教師よりも近いけどAとは更に近く感じる。

Aもそんな鳴海のことを信用してる。
多分、俺たちのことよりも。俺にも甘えてほしいって思うのは何でだろう。

貴方「ん……せんせ……」

鳴海「Aちゃん、お薬飲める？これ飲めば明日には熱下がるからね」

嫌そうな顔をしつつも大人しく薬を飲むA。
Aが転入してきて初めてAの年相応の姿を見れた気がする。

貴方「どこにも…いかない…で……お願いっ」

鳴海「大丈夫。ここにいるよ。だから安心しておやすみ」

アリスを使ったのか、再び一瞬で眠ってしまったA。
鳴海は悲しそうな顔をしている。

棗「そいつのアリスの形って…」

鳴海「大丈夫だよ。棗くんと似てるけど彼女の場合は寿命に影響はない。熱も一日で下がるんだけどね、日常での積もりに積もった不安や恐怖が、こういうときに溢れちゃうんだ」

俺にできること…何か……なにか1つでも見つけたい。

Aのために…