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なんでこんなとこ連れてきたんだという顔を隠せていない翔太。知りたそうにこちらの様子を伺っているのが可愛くて少し放置していたけど、いい加減話そうかな。
「俺ね、翔太に伝えたいことがあって」
「うん...？なに？」
「俺、ずっとここのレストランで働くのが夢だったんだけど」
翔太は俺の言葉に、小さく知ってるよと呟いた。俺の夢が翔太の当たり前になっていることが愛しかった。
「それで、つい最近、そこの調理場から呼んでもらって...、シェフとして働かせてもらえることになった」
「.....えっ！？まじ、あ、ほんとに...？」
店内でうっかり大声を出して、しまったとばかりに声を潜める翔太が可愛くて。本当だよと伝えると自分のことの様に嬉しそうに、おめでとうと笑ってくれた。
「この夢が叶ったら、やるって決めてたことがあるんだよね」
なになに、と嬉しそうに聞いてくる翔太には、多分俺の次の行動は読まれてない。
「人生で一度しかないことだし、どうせならちょっとカッコつけて翔太のことメロメロにしちゃおうかなと思って」
「.....ん？」
少し冗談めかして言うと、不思議そうな顔の翔太が首を傾げた。そんな翔太の手元にある空のカクテルグラスを指して、カクテル言葉は知ってるかと問いかけた。花言葉みたいなやつでしょと言ってのけた翔太に苦笑して続ける。
「さっきのカクテル、ブルーラグーンね。カクテル言葉は『誠実な愛』」
「......」
ぼーっと俺の言葉を聞く翔太の前に、マスターが新たなカクテルを差し出した。レモンの皮がグラスに入ったそれは、ホーセズネックと呼ばれた。
「俺ら産まれた病院から幼稚園も高校も一緒で、ずっと好きだった翔太と付き合えた時は『運命』だと思ったよ」
「....これの、意味....？」
「そう。俺はそんな運命の翔太に、これからもずっと誠実な愛を誓います。...泣かないで翔太、こっち向いて」
下を向いてしまった翔太の濡れた両頬を包んで顔を上げさせ、目を合わせる。
「ひっ、....う、」
「翔太、俺と結婚してください」
いよいよボロボロと泣き出した翔太の肩を抱いて、落ち着かせるように撫でる。
「返事は？」
「っ、は、い...」
小さかったけど確かに聞こえたそれに、遂に正面から抱きしめた。そしてそっと左手を取って、その薬指に指輪をはめる。驚いて目を見開いた翔太はそれをまじまじと見つめると、また溢れた涙を隠すように俺に抱きついた。
end
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りあ - こんばんは!この作品大好きです!更新、待ってます! (2021年2月13日 22時) (
レス) id: 9c7cdecfa0 (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう. - 主様のdtnb最高です！ (2020年12月18日 20時) (レス) id: 8f7d50177b (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - sallyさん» コメント、リクエストありがとうございます(^^)了解致しました。お受けさせていただきます！ (2020年5月13日 0時) (レス) id: 8b39fff6e9 (このIDを非表示/違反報告)
sally(プロフ) - はじめまして！素敵なお話をありがとうございます！楽しく読ませていただいてます！リクエスト何ですが、全夫婦の甘々な裏のお話が読みたいです！skabさんもabさんがデレデレのを読みたいです。お忙しいと思いますがよろしくお願いします！ (2020年5月12日 0時) (レス) id: 32a5b29b24 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - ぴこさん» コメントありがとうございます！本当ですね、ご指摘ありがとうございます。修正させていただきました！ (2020年5月12日 0時) (レス) id: 8b39fff6e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん
| 作成日時：2020年3月14日 22時
