無花果

甘えたさん病:iwfk (リク) ページ36

るり 様リクエスト
iwfk編です。
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side fk


「ふっか、ラウールまだ寝てるの？」


照にそう言われて気付いた。今日はよく寝るなとは思ってたけど、さすがに寝過ぎだ。
可愛い寝坊助を起こしに、寝室へ向かった。

部屋に入ると、布団を頭まで被った小さな塊があった。今日は照が家にいるから、早起きして遊ぶと思ってたのに。


「ラウ〜？おはよう、そろそろ起きよう？」


「んぅ〜...、おっきやだ、」


珍しく朝からぐずっているラウールを不思議に思って布団をめくると、少し赤い顔が出てきた。


「ラウール、もしかして元気無い？」


「.....」


そう聞いても返事が返ってこない。おでこに手を当てると、やっぱり熱い。


「ラウールお風邪ひいちゃったのかな。今日はゆっくり寝よう。ママ体温計持ってくるね」


「やぁだ...」


部屋を出ようとすると、小さな手にキュッと小指を握られて引き止められる。だよなあと思ってその手を握り返した。
ラウールは普段からあまり手が掛かる子じゃないしお利口さんなんだけど、風邪をひくととんでもない甘えたさんになってしまう。体調を崩すと100%発症する合併症みたいな感じ。


「すぐ戻ってくるよ？」


「んんーー！やだ！」


「ああ、分かった分かった。ここにいるよ」


しょうがないからベッドに座って、照に伝えて諸々の看病道具を持ってきてもらった。部屋に入ったら最後、照も出れなくなってしまうので一度に全部。


「ふっか、はいこれ。....ラウール、風邪ひいちゃったのか？辛いな」


「....ぱぱもきて」


はいはい、とベッドに座った照がラウールの汗を拭いている間に、体温を測っておでこに冷えピタを乗っけた。


「ラウール、何かしたいことある？アニメ観るとか、絵本読もうか？」


そう聞くと、俺が手に持っていた絵本のうちの一冊を指さしたので、ラウールの隣で絵本を開いた。



□



パタンと絵本を閉じて、一息ついた。寝入ったラウールを起こさないように、小声で照に話しかける。


「....一旦部屋出て大丈夫かな」


「なんで？どっか行くの？」


「ご飯作ろうかと思って。薬も飲ませたいし」


すると照は少し考えて、分かったと言った。できるだけ物音は立てないでと念押しされ、静かに頷いて部屋を出た。

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