【00×マクロスΔ】虹色の歌姫・８ (ページ17)

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マフィアはわざと智恵理が傷つくことを言ったのだろう。動揺させ、その隙に捕まえて政府に差し出そうとしたのだろう、と反省会中に他のメンバーが言っていた。
それを聞いた凪沙は強い怒りを感じた。

智「それで動揺しちゃいけなかったんだよ。何を言われても歌わなきゃいけなかった。責められても受け入れる覚悟をしてたつもりだったけど甘い覚悟だったってよくわかった。
もっと強くならなきゃいけない。私はセンターノヴァなんだから」

智恵理の瞳に強い意志の光が見えた。
前々からセンターノヴァとしての重圧を感じて親友が不安や焦りを感じているようだが、きたりえのことでさらに責任を感じて自分を追い詰めやしないか…と凪沙は不安が過ぎる。

凪「…きたりえさんには謝るよりお礼を言ったほうがいいよ。
ありがとうって言われたほうが嬉しいじゃないかな。私がきたりえさんの立場ならそう思う。自分が守ったことで相手が苦しむなんて嫌だから」

智「…！うん。そうだね。よくお礼を言っておくよ。
それにあっちゃんにもお礼を言わないといけないんだ。ありがとう」

凪「？」

智「きたりえさんが傷つけられて、怒りでいっぱいだった私を冷静にしてくれたのはあっちゃんのおかげだよ。あっちゃんが私になにがあっても戦うんじゃなく歌を届けるんだって教えてくれたから。だからありがとう(私がセンターノヴァになれたのはあっちゃんのおかげだ…。あの時あっちゃんが止めてくれたから、たとえお父様を殺したかもしれないDES軍にも歌を届けることができた)」

智恵理が微笑むと、凪沙は缶ジュースをテーブルに置き彼女の左手を両手で優しく握った。智恵理は突然のことに目を丸くして「あっちゃん？」と問う。

凪「きっと何を言っても智恵理のセンターノヴァとしてのプレッシャーを完全になくすのはできないと思う。だからね、私、なるから。センターノヴァに。そしたらプレッシャーも半分こできて少しは軽くできるでしょ？」

智「！」

凪「もちろん智恵理の為だけじゃないよ。私自身がなりたいの。もっと輝いて、セイレーン症候群をなくしたい。そしてまたたくさんの人達に歌を届けたいから」

智「…うん。私もいつか絶対襲名してみせるから、待っててね」

智恵理も缶ジュースを置いて両手で凪沙の手を握り返す。二人の頭上でキララが輝いた。

これからも努力を続け夢を叶えるんだと、そんな強い想いを抱きながら見つめあい、微笑んだ。