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ツ「………あの牛山も褒めていた歌声の持ち主か。他に思い出したことは?」
A「名前や顔は思い出せないですけど、ピンクの髪の女の人と黄緑の短い髪の女の子の姿がメンバーに重なって見えました。ピンクの髪の人は織音やマリコさん…あ、それにこじはるさんに雰囲気が似てます。黄緑の子は鈴子に似てます。二人は彼方と楚方の姉妹みたいに仲が良かった気がするんです。
……あの、私についてなにかわかったことってないんですか」
ツ「えぇ。あらゆる手を使って探しているけど、あなたのこともワルキューレのこともわからないままよ。こうもなにも情報がないというのは変だわ…」
A「私が嘘をついてると思ってますか?もしかしてスパイじゃとか疑われてます?」
Aが淡々と言うと栞がすかさず否定する。
有「そんなわけないでしょ!Aの正体がわからなくても本気で歌を愛してるのはわかってるんだから。真剣に00で活動してるAを疑うわけないでしょ」
A「先生達はそうでも、他の人達もそう思ってるんですか?なんの情報もなくて私のこと怪しんでる人がいるんじゃないですか」
有「それは…」
栞は気まずそうに目を伏せる。
上層部の一部の人間があまりに情報のないAのことを敵のスパイではないか、と怪しんでいるのを知っていたのだ。
暗い空気が漂うなか、南野が「まぁまぁ!」とわざとらしく明るい声を上げる。
南「とにかく少しでも思い出せてよかったじゃん!
確かにちゃん夢主の情報がなくて怪しんでるスタッフがいるのはほんと。でもね、ちゃん夢主のライブを見れば歌を愛する心が本物だってわかるよ。00を大切に思ってくれるからメンバーに厳しいことも言ってくれる。そのおかげで皆もっと成長できたんだよ」
ツ「えぇ。おかしくはあるけどあなたが嘘をついてるとは思ってない。総支配人としてそれくらいはわかるつもりよ。
あなたは最初の宣言通り新しい風を吹かせてくれた。感謝してるわ。これからも風を吹かし続けてちょうだい。セイレーン症候群を完全に終わらせるためにも。
もちろんこれからもあなたの身元を探す協力は惜しまないわ」
A「…ギブアンドテイクですね。わかりました。これからも歌い続けます
(そうしていればいつか私やワルキューレのことがわかる時がくる気がする…)」
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作者名:空 | 作者ホームページ:http://id38.fm-p.jp/213/7772010/
作成日時:2023年8月10日 19時