【00×マクロスΔ】虹色の歌姫・８ (ページ12)

今日:4 hit、昨日:15 hit、合計:5,135 hit

〃ページ12

ら「きたりえしっかりして！！きたりえ！！」

ゆ「大丈夫！気を失ってるだけ！
―――ツバサさん、きたりえが左脇腹を撃たれ重症です！すぐ治療の準備をお願いします！」

らぶたんが敵をマイクサーベルで気絶させながら猛スピードできたりえの元に飛んできて、セリーから飛び降り彼女を呼ぶが返事はない。らぶたんは目じりに少し涙を浮かべ、怒りの形相で智恵理の左腕を乱暴に掴んだ。智恵理は痛みで顔を歪める。

ら「あんた何やってんの！？戦場でボケッとするなんて！！あんたのせいできたりえが！！」

智「…っ！わ、たし…っすみません…！(私のせいで…)」

ゆ「らぶたんやめな！今そんなことしてる場合じゃないでしょ！！セイレーン化を鎮めるのがうちらの使命！ライブを続けて！」

ゆいはんは怒鳴るように言い聞かせながら応急処置を終えると、後を駆け寄ってきた男性WOTAに頼む。彼はきたりえを横抱きし機体に乗り込み、すぐに飛び立ちフライングゲットに向かっていった。
らぶたんは智恵理を睨みながら怒りを歯をくいしばって耐え、歌を再開して敵に突撃してゆく。

ゆ「智恵理しっかりしな！歌うよ！」

ゆいはんは智恵理を一喝すると、智恵理を庇いつつ自分達を狙うマフィアと戦う。
きたりえのことで不安と恐怖で精神的状態がよくない智恵理の頭の中にあるきたりえの「歌って」という言葉が響いた。

智(歌わなきゃ…私は……)

ふと、この戦場の喧騒の中、智恵理の耳に「バカ野郎！」と怒鳴る声が聞こえた。思わずそちらに視線を向けると、中年男性が青年に怒鳴っていた。二人はマフィアだった。

男「どこ狙ってんだ！生かして捕らえろって政府から言われてるとあれほど言ったろうが！00メンバーは殺しちまったら面倒なんだよ、ファンの奴らが神として祭り上げて増々調子づくんだ」

青年「すみません！センターノヴァのガキの足を狙って撃ったんですが、邪魔が入って…。あいつが余計な真似しなきゃ命中してました！」

”邪魔が入って”。それはきたりえのことだろう。智恵理は耳を澄ました。

男「チッ…。やっちまったもんは仕方ない。もう狙いを外すなよ。政府の奴らの最優先はセンターノヴァ、次に黄金世代のメンバーだ。こいつらを生かして捕まえる。なるべく怪我させねぇようにするぞ。
他の奴らは重要視されてないから殺しさえしなきゃ怪我の一つや二つどうでもいい」

ひどく冷たく、あっさり言う男。ありえない言葉に智恵理は目を見開く。