【00×マクロスΔ】虹色の歌姫・６ (ページ8)

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男「ぅ…っあああ…！」

　うめき声が響き、A達が視線を向けるとデモ集団の複数の少年や青年が頭を抱えて苦しみだす。DES兵らはどうしたのかと驚き戸惑っていると、青年達はふらりと顔を上げた。目に光を感じず恐ろしいほど暗く見え、驚いている間に立て札で殴られた。

DES兵「ぐっ！！」

頭を殴られた兵はその場に倒れ痛みで顔を顰める。しっかりヘルメット型防具で防御できたのでこの程度で済んだが、何もなければ大怪我を負っていた。周囲から大きなざわめきが起こる。

DES兵「何をす」

最後まで言い切る前にこちらの兵も凄まじい速さで近づいてきた少年に立て札で殴られる。少年達の頭に直接、『僕たちは戦わない』を歌う少女の声が聞こえてくる。それはAにも聞こえた。

――それでいいの。愛じゃなんにも解決しない。愛っていう思いじゃ自分を邪魔する敵を倒せない―――

少年(その通りだ…僕はDESを倒さなきゃいけないんだ…)

――さあ、周りなんか気にしないで、あなたの望みを叶える為に戦おう―――

青年(戦うんだ…)

A(こいつ暴れさせようと洗脳してる…！？)

青年達は殴り倒した兵が落としたライフルを拾い、それをDES軍に向かって発砲する。しかしきちんと照準せず滅茶苦茶に撃つので仲間に当たってしまった。電気ショック弾なので気絶しただけだが、それを気にせず発砲を続け周囲の建物や人間にも当たってしまう。皆は悲鳴をあげ逃げ惑った。

宇「なにこれ！？どうなってんの！？」

A「暴徒化したんです！」

―――ビ―――ッ！！！

騒ぎの中、町中に大音量の警報音が響く。

放送『北東にてセイレーン症候群が発生いたしました！住民はすぐにお近くのシェルターに避難して下さい。繰り返します。北東にてセイレーン症候群が発生いたしました。住民はすぐにお近くのシェルターに避難して下さい』

北東とはこの周辺である。警報を知らせる村内放送を聞いた住民は騒然とするのだった。

―――
　その頃、聖域のキララ達が突然そわそわとしだし薄茶色の髪の巫女のそばに集まって身を震わしせる。まるで怯えるように。

薄茶色の髪の巫女「欲望の歌声が黒い輝きを放って人を操ってる…」