【00×マクロスΔ】虹色の歌姫・６ (ページ46)

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　智恵理は凪沙の隣に座って食事につく。暗い気分で食べるパパコックの朝食は、いつもはとてもおいしいのに今日はあまりおいしく感じなかった。
智(…ファンでいてくれるの嬉しいけど贔屓なんてされたくない。あの番組のせいで先輩達も先輩達のファンも傷つけた…。ゆいはんさんが”私(智恵理)は悪くないから気にしないで”って言ってくれたけど……やっぱり私にも責任がある。でも謝ったけど”謝らなくていい”って気を使ってもらって……
しばらく距離を置いた方がいいかな…)

　食事を終えるとソロ仕事がある智恵理以外の研究生はレッスン室に向かい、牛山がやってくると「まずこれを見て」と言い、壁の真っ黒だった巨大モニターが発光した。

『志良堂晶襲名決定！』

派手なピンク色で輝く背景にこのような文字がでかでかと現れた。
途端、研究生らの驚きと歓喜に満ちた悲鳴が響く。

楚「ほんと！？やったぁーっ！」

織「よかったぁ…！」

友「襲名できるんだ！」

鈴「一安心です」

77期生がはしゃいでいる横で76期生が茫然と突っ立っている。

宇「…じゃあ…襲名が決まったなら、晶は卒業しなくて済むんですよね！？」

牛「もちろんよ。ご両親に連絡して、”今年中に襲名したなら襲名披露公演自体は来年になったとしても自分達との約束を果たしたことになる”って納得してもらったわ」

姫「よかったぁ…！」

仲間と別れずに済み76期生は涙ぐむ。
かつての同期である葉月との別れがトラウマとなり、晶を信じていても”別れるかもしれない”という不安を感じてあまり眠れなかった子もいたのだ。安堵から涙が溢れ、ハンカチで拭う。

瑞「ほんとよかったぁ…」

李「安心してぐっすり寝れるね」

Aは無言でくすりと笑った。
やはり、彼女は無事に襲名したのだ。信じてはいたがそれでもほっとした。これで彼女は大好きな歌を歌い続けることができる。

A「襲名披露公演はいつやるんですか？」

牛「晶の襲名熱が下がってきて後2～3日したら大丈夫なはずだから、予定では1月11日にやるそうよ。
これからもっと忙しくなるわよ。なにせ元旦当日の正月公演。2日目の美森の生誕祭公演ていう二つの特別なセットリストを覚えてさらに晶の襲名披露公演のセットリストも覚えるんだから」

牛山も晶がギリギリでチャンスを掴み見事襲名したことを喜んでいて、泣いて喜ぶ76期生を微笑ましく見つめていると、自動ドアがスライドし何者かが入ってきた。