【00×マクロスΔ】虹色の歌姫・６ (ページ44)

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だがプロデューサーに00の宣伝の為に、約1年でセンターノヴァにまで駆け上がったまだ13歳の少女・智恵理の成長する姿を紹介すればまず高視聴率は間違いない。そして00に興味のない人々も関心を持つはず。これがきっかけで歌を好きになってくれるかもしれない。
芸能を広める為にもまず、智恵理という00の顔となるメンバーを宣伝し皆に興味を持ってもらう為に番組を作りたいのだ。そしてセイレーン症候群で不安を感じている人々に智恵理率いる00がいれば大丈夫なのだと訴えたいと熱く語られた。
嘘くさく聞こえたが、それでもプロデューサーの言うことも一理あるので不満を飲みこみ承諾したのである。

ら『智恵理のこと初めて見た時すごい美少女入ったなって思ったよ』

き『歌もダンスもうまかったよね。優子のアンダーにも選ばれたしすごい子が入ったなって皆で話してた』

あ『スタイルもよくてグラビアも人気あるよね』

　司会者とゆいはん達は番組収録中、とにかく智恵理を持ち上げるコメントを連発した。嘘はついていないが、まるで智恵理に媚びているかのような感じがして気分がよくなかった。智恵理は先輩達の言動に戸惑うが収録中は笑顔を絶やさず「自分が成長できたのは先輩達の指導のお陰」とフォローした。が、

司会者『謙虚で素晴らしい。さすが智恵理ちゃん。アイドルとしてだけでなく人間もできてる』

と司会者にハイテンションで持ち上げられてしまう。

　収録後、プロデューサーがすかさず智恵理に駆け寄り、

プロデューサー『とてもよかったよ！可愛かった！』

とデレデレとした顔で褒めちぎり、さらに彼女一人だけ食事に誘ってさらにゆいはん達の気分を悪くさせた。

智『先輩方が引き立て役の様に感じられる部分があったのでそこは訂正をお願いします。先輩方にもファンの方にも失礼ですので』

智恵理はもちろん誘いを断り、毅然とした態度で言ったのだが「大丈夫、ちゃんと編集しておくから！」とへらへらと笑いながら軽い言い方で返事をされ本当に大丈夫かと心配していた。

その結果、先輩達を引き立て役にした智恵理贔屓の番組になってしまい智恵理はもっと強く訴えるべきだったと後悔した。