【00×マクロスΔ】虹色の歌姫・６ (ページ35)

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姫「…これを乗り越えたら襲名できるんだね」

姫子の呟きに寂しさを感じた。

宇「寂しい？」

姫「ちょっと。それに悔しい。仲間にチャンスの順番がきてよかったって思うんだよ。嬉しいけど悔しい…」

宇「私も。でもさ、それって当然なんだよ。だって大事な仲間がチャンスを掴んだのは嬉しいことだけど、ライバルでもあるから悔しくて当然。そう思えるようになった。
…さ、そろそろ寝よう。明日もレッスンあるからね。それにバラエティの収録もあるから早いとこ寝てライブの疲れを取らないと」

姫子は頷き、部屋の照明を消して自分のベッドに潜りこむ。

姫「明日やるのってクイズ番組だよね…」

宇「うん。クイズ苦手だけど頑張らなきゃ。クイズとかそういう頭使う番組って鈴子がすごい活躍するから、私達も頑張って目立たなくちゃね」

頑張ろう。絶対とは言えなくても頑張れば報われるかもしれない。
今日、輝けなくても歌った強い思いからキララが生まれたように。

そう思いながら二人は目を瞑った。

―――――
深夜、皆が寝静まっている頃、Aは夢を見ていた。

フリルが付いた可愛らしい衣装を着たピンク色のツインテールの少女と、ボーイッシュな衣装を着た黄緑色の短髪の少女が戦場で背中合わせで歌っている。相変わらず顔はぼやけて見えない。ツインテールの少女は胸が豊満で美森や織音のようなグラマラスボディをしている。それと反対に短髪の少女は小柄で胸も小さく友歌に近い体形をしている。

場面が変わり、今度はLASのような機体の前で何か作業をしていた。ピンク色のツインテールの少女が機体を整備していて、黄緑の髪の少女は立体モニターで作業をしている。
今度は二人仲良く食事する姿が見えた。ツインテールの少女があーんと口を開ける短髪の少女にクラゲの刺身を食べさせている。
二人は息があっていて、とても仲がいいように感じた。まるで姉妹のようだ。

―――Aも食べさせてあげる♪はいあ～ん♪―――

ツインテールの少女が立ち上がると豊満な胸が揺れた。箸で掴んだクラゲの刺身を差し出され、Aは食べる。懐かしい味がした。

―――クラゲは生が一番―――

短髪の少女はうっとりした声で言いながら刺身を食べる。
楽しそうに笑顔で食事する二人の姿が次第に消えていった。

「―――………クラゲはチップが一番…」

　朝、00寮の自室のベッドで目を覚ましたAは、まだ寝ぼけ眼をしながら呟いた。