〃 ページ26
李(私は00に憧れて、歌いたくてここに来たんだ。皆と一緒に歌いたい)
姫(自分の為に!)
恵(佐江の隣で歌う為に!)
瑞(仲間や皆の為に!)
76期(歌うんだ!)
歌う76期生の胸元が次第に淡く輝き、キララが飛び出してきた。それは光を放っている。
ツ「キララ…!」
オペ「76期生全員のキララウェーブ波を探知しました!お互いを刺激しあって数値が上昇しています」
一方、Aと彼方のキララの輝きはどんどん増しており、二つの大きな光は彼方の母を襲ったDES機や周囲のDES機を照らす。すると動きが止まり、中のパイロットはうめき声を上げながらセイレーン化から解放された。何をしていたのか、と茫然とした顔で周囲を見ているパイロットがいれば、気絶する者もいる。
Aは、そして避難中の住民は見つめていた。美しく輝くキララの下に立つ彼方の姿を。
まっすぐにDESを見据え、ピンと背筋を伸ばして立つ姿から凛々しさと頼もしさを感じる。そしてアイドルのオーラを持つ者のみ反応し輝くキララの光を浴びているその光景に神聖な雰囲気が漂っていた。
住民「女神だ…」
住民の誰かが呟いた。
Aは彼方を見つめていた。先ほどから彼方に人の姿が重なって見えている。何度も思い出したことがある赤い髪の女性だ。
赤い髪は彼方と同じように毛先がはねている。黄色い花飾りを付けている。背が高い。
瓦礫だらけの戦場でもピンと背を伸ばして堂々と歌っていた。
彼女は………
―――行くわよA!ワルキューレの出動よ!―――
彼方と似た凛々しい声を思い出す。
A「―――カナメ…!」
いつもかかっていた霧は晴れ、顔がはっきりと思い浮かぶ。
彼女はカナメ・バッカニア。自分が所属していた”ワルキューレ”のリーダーだ。
A(彼方にカナメが重なって見えたのは似てたからだったんだ…)
彼方とカナメ。名前や容姿だけでなく一つのグループのリーダーで、グループのことを誰よりも大切に思い、皆を一つにまとめて引っ張ってゆく姿がよく似ている。
彼方は顔を上げ、空に浮かぶ見覚えのないキララ達を見つめた。近くを飛ぶ76期生のLAS内でキララが輝いているのに気づき微笑む。
彼「いつの間に…やったね皆…
さぁ皆、次いくよ!私達の光でDESを正気に戻すんだ!」
皆「了解!」
迷いがない、力強い彼方の声がインカム越しに聞こえ、全員が了解し彼女の後に続いた。
52人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:空 | 作者ホームページ:http://id38.fm-p.jp/213/7772010/
作成日時:2020年4月9日 7時