【00×マクロスΔ】虹色の歌姫・６ (ページ22)

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彼(こいつらが操られてるってわかってるけど…けど…！)

ぎりっと歯を食いしばりDES機を鋭い目で睨みつける。
鎮圧して守らなければいけないとわかっているが、どうしても故郷のDES軍を目の前にすると憎しみと怒りを消せなかった。
彼方は必死に歌うがやはりキララの輝きは弱く、しだいに消えてしまう。

オペ「6代目たかみなのキララウェーブ波消失！探知できません」

ツ「どういうこと？たかみな？どうしたの？」

ツバサは彼方のインカムに通信を繋げる。モニターの一つに焦りの表情の彼方が映る。少しの間の後、

彼『…ごめ…ごめんなさい…！』

焦りと苦しみを感じる声で言うのだった。

彼「なんで…！
(たかみななのに、キャプテンなのにこんなんじゃだめなのに！
…ごめんなさいたかみなさん……あなたの夢は私が受け継ぐって決めたのにこんなんで…)」

ともちんと智恵理、合流した凪沙達が必死に歌いながら住民を守り戦っている。かつて共に行動した地元ゲリラ組織の一員であるWOTAがDES機のミサイルを盾で防御している。
尊敬する5代目たかみなのように歌ってキララを輝かせ、00をまとめあげることもできない。何もできないでいる彼方の瞳に絶望が浮かんでゆく。

―――憎しみは消えないよ。だって家族を殺されたんだもん。当然だよ―――

彼方の頭に少女と思われる声が聞こえ、驚きながら辺りを見渡す。だがそばに少女はいない。
彼(この声…もしかしてA達やセイレーン化した人達の頭に聞こえた子の声！？)

―――DESが憎いでしょ？自分の気持ちに素直になって、マイクを武器にして戦おう―――

彼「戦わない！00は歌を届けるんだ！」

彼方は怒鳴り、セリーのスピードを上げてマイクサーベルを手に地上に向かい、逃げる住民達の頭上に落ちてくる瓦礫を切断した。真っ二つに割れた瓦礫は誰もいない所に音を立てて落ちる。

住民「彼方ちゃん！」

住民「たかみな！」

住民「ありがとう！」

彼「皆さん、00が守りますのですぐシェルターに行ってください！」

礼を言う住民らに向かって彼方はにっと頼もしさを感じる笑みを浮かべながら言う。彼らが急いで離れるのを見ると、突然女性の悲鳴が聞こえた。よく聞き覚えのある声で嫌な予感が過る。
悲鳴が聞こえた方を振り向くと、伊砂と逃げていたはずの母がDES機に追われていた。二人はミサイル攻撃を避ける為に近くの建物の陰に隠れる。