【00×マクロスΔ】虹色の歌姫・６ (ページ19)

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A「セイレーン症候群が起きたから行った方がいいんじゃないですか」

　Aと宇美はDES兵2人が軍地基地に連れて行こうと機体が待機してある場所に向かって歩いていた。周囲から00の歌が響き、銃声が聞こえている。人々の叫び声や悲鳴も聞こえる。Aはそれを聞きながら声をかけた。

DES兵「他の者達が対応しているから問題ない。それにそれはお前達が起こしているものだろう」

宇「違う！00の歌を利用してる奴がいるの」

DES兵「真実はいずれ政府が証明してくれる。お前達には本部ですべてを話してもらうぞ。そうすれば裁判で温情ある判決をしてくれるだろう」

宇美が反論するとDES兵は冷静に言い、ライフルの先端を軽く宇美の背にあてて”早く歩け”と促す。下手に抵抗して撃たれても実弾ではないので殺されはしないが、電気ショック弾等で気絶して本部に連れていかれてはまずい。なので二人は大人しく歩き続ける。
だが、Aは突然歩みを止めた。

DES兵「何をしている。止まるな。早く…」

歩け、と言おうとする兵の動きが止まる。
彼らとAの頭に直接歌声が聞こえてきたのだ。『僕達は戦わない』である。するとDES兵達の体が震え膝をつき苦しみだしだ。

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オペ「強力なマイナスウェーブ波反応確認！発信源を確認します。
………発信源は二つです。ひとつは名字Aと堂島宇美のユニットがいるポイント。もう一つはDES軍有人機部隊です！」

ツ「なんですって？…最悪だわ」

ツバサは厳しい顔つきで呟き、すぐに船内放送でメンバーや乗務員に指示を出すのだった。

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　男装した楚方とぶつかったDES軍沙原星支部副隊長は顔を顰めながら混乱していた。機体に乗り暴徒化した住民がいるポイントに向かって飛行していたら隊員達が呻き声を上げ苦しみだしている。それがおそらく自分の脳内に聞こえている歌が原因だろうとわかった。先ほどから若い女性の歌声で00の楽曲『僕たちは戦わない』が響き、苦痛を感じる。自分の意識が薄れてゆく。

―――さあ、私の兵さん達。私の為に戦って―――

甘ったるい女の声がDES有人機部隊員らに命令する。
普段なら得体のしれない人物の命令に従うわけがない。だが、隊員達は虚ろな目をして猛スピードで下降しながらミサイルを乱射し始める。建物に当たり大爆発が起きた。避難途中の住民が悲鳴を上げ逃げ惑う。

副隊長「う…っ」

意識が薄れるのを必死に抵抗する兵だが、やがて眼の光が消え攻撃に加わった。