記憶【梅原裕一郎】

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西山side
ずっと僕の隣で泣きじゃくる幼なじみ
なんて声をかけていいのか分からない。

如「…ｯ…こうちゃん…」

西「ん？」

如「私…重度のうつ病って診断された。」

西「…うん。」

如「…ゆうくんもうつ病って診断されたんだって、」

西「…うん」

如「…どうして…こうなっちゃったんだろ。」

西「…。」

如「こうちゃん…私が居なくなれば…ゆうくん…思い出してくれるかな…？」

西「…え、？｣

如「ゆうくん…何も思い出せないって言ってた。だから、もし…私がいなくなれば、思い出すのかな。」

西「やめてよ、そんなこと言うの。僕、嫌だよ。」

如「…ほら…ここの信号、赤だよ…今渡れば…」

西「…。」
どんどん壊れていく彼女を見るのは辛かった。
そして梅ちゃんに会えばこうなることも想像はついていた。どうすればいい…どうすれば元に戻せるんだろう…

その日をさかいに彼女は誰とも会わなくなった。

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