記憶【梅原裕一郎】

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梅原side
仕事に行けなくなって1週間が経った。
仕事に行けなくなった理由はわかる。

梅「きっと…俺が仕事してたら如月さんは辛いんだろうな…」
西山さんに言われたあの日からずっとそう思うようになった。
そして何をするのにもだるくなり寝てることが多くなった。
マネージャーからは病院を勧められた。
仕事に穴はあまり開けられない。

梅「行くか…」
マネージャーが勧めてくれた病院はすごく評判がいいと話題の病院だった。
髪の毛をセットしていないせいか俺の名前が呼ばれても誰も声をかけてこなかった。

診断結果はうつ病だと診断された。
これからは極力イベントには出なくないとマネージャーにLINEを打った。マネージャーは物分りがいい人で事務所と相談して結果を送ってくれるそうだ。
薬を貰って帰ろうとした時、知ってる名前を耳にした。

如月Aさんと看護師さんが呼んでいた。
俺は振り返った。するとそこには白いワンピースを着た小さな女の子が居た。間違いなく俺の彼女だった。

梅「…なんで…ここに、」
焦った。だってきっと俺が居たら如月さんを傷つけてしまうかもしれない。怖い。そう思った。
手が震えて止まらなくなって薬を落としてしまった。
看護師さんが大丈夫ですか？と優しく声をかけてくれた。どうしよう…このままでは如月さんにバレてしまう。
今の俺は人気声優梅原裕一郎の姿はどこにもない。
幻滅されてしまうかもしれない。

梅「大丈夫です…ありがとうございます…」
そう言って俺は病院から出た。
とにかく歩いた。とある神社の桜の木の下で休もうと腰をかけた。

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