記憶【梅原裕一郎】

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梅原side
ガチャっという音と共に西山さんが帰ってきた。

梅「おかえり」

西「ただいま〜」

梅「今日オフなのにどこ行ってたの？」

西「ちょっと買い物〜」

梅「何も買ってこなかったの？」

西「うん…何も欲しいものなかったからね〜」

梅「あのさ、西山さん」

西「ん〜？」

梅「聞いてくれた？如月さんに」

西「そのうち聞いてみるよ〜」

梅「そう言ってもう1週間経ったんだけど…本当は俺に会いたくないって言ってんの？｣

西「…。」

梅「どうなの？」

西「梅ちゃんはさどうしてそんなに会いたいの？」

梅「俺にできることがあればしたいなって思って…」

西「…ないよ…梅ちゃんにできることなんて、」

梅「…いや笑あるかもしれないじゃん。」

西「ないって言ってんの！！なんでわかんないの！？自分が喧嘩して出ていって勝手に事故にあってさ、それで好きな人のこと忘れちゃうってなんなんだよ！その気持ち梅ちゃんには分かる！？わかんないでしょ！」
俺の胸ぐらを西山さんは泣きながら掴んでいた。

梅「ごめん…」

西「…今は会わせられない。今のAちゃんには梅ちゃんは必要ない。」

梅「は？それどう言うこと？なに？必要ないって｣

西「今は現状に向き合うのが最善の策なの…まだ…受け入れられてないんだよ。」

梅「それはそうかもしれないけどさ、｣

西「もうハッキリ言うよ！？今日Aちゃんの部屋の片付けに行ってきた…梅ちゃんが記憶喪失になって悲しくてごちゃごちゃにしてたから。その時に梅ちゃんの部屋は片付けないでって片付けたら梅ちゃんの匂いが無くなっちゃうって、僕はどうすることも出来なかった。ご飯も食べられてない。ゼリーですら、…悪いけど全部梅ちゃんのせいだからね。」

梅「…。」

西「ここまで聞いて梅ちゃんになにかできると思う？見守ってあげることが大切だと思わないの？｣

梅「…そうだね。ごめん」

西「…。」

俺はその日から仕事に行けなくなった。

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