三人寄れば押し問答 ページ7
.
ベベンと琵琶の音が響き無限城へと足を進める。
城といえど形はなく中身は入り組んでいるため新参者の自分には構造もなにも分からなかったが、師匠である黒死牟からは仕事が終われば琵琶が鳴るとだけ伝えられた。
初仕事を終えたあと「隠もとのことだ」と置いていかれたのだ。
絢爛豪華な無限城だが、聞くところによると上弦の間はたいそう豪華な造りになっており並みの鬼では入ることは許されないらしい。
別に他の鬼を毛嫌いしているとかお高く止まっているとかではなく無惨様が懲り性で自分がよく訪れる上弦の間はよりその性格がでるそうだ。
この畳縁はなんだ大宮純金縁に変えるだとか、茶の間がない城になど住めるかだとか
中庭を作ろうじゃないかそうさな何時か見た屋敷の枯山水などがよろしいだとか
はァ?今は大正時代だモダンだ歌劇だ劇場でも造るか
と、改装や改造や改修を繰り返した為らしい。
上弦の間は間と呼べるのかも微妙なほどと聞く。聞くだけだともはや街である。
.
「あ、どうも黒死牟様」
「……獪岳か」
「あの、いっこ聞いていいすかね」
「言ってみろ」
「あの……
俺鬼になってから試験とか受けてないんすけど…勝手に鬼とかなっても良いんですかね」
別に鬼殺隊引きずってるって訳じゃないんですけど、鬼殺隊の選別試験的な
「何を聞くか…この城に入れてる時点で考えなくて宜しい」
「そんなもんですか」
「鬼殺隊に比べれば易しいものよ 呼吸が使えるだけの心がまえも出来ておらん子供を贄にもしておらんしな カカカ 産屋敷も何を考えているのか分からんしな」
「あぁそれもそうすね
あ、あと俺強くなったと思うんですけどなんか前より伸び代無くなった気がするんすよね」
「…………今は成り立ての倍は人を食っているだろう。倍鍛練しろ」
「なるほど」
あざっすと良いながらシッと消える獪岳を見送る。ますます速くなった。最近の若者は元気で宜しい。黒死牟はのそのそと枯山水を歩いた。獪岳が走った衝撃波で見事な波紋が消えていた。元気で宜しい。黒死牟はおじいちゃんなので元気な若者に元気を貰った。
庭園で鍛練するなと注意せねばこの庭園を見た無惨様は膝から崩れ落ちるだろう。
それとも自分と同じように元気で宜しいと笑うだろうか。
2人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水菜(プロフ) - 零華さん» コメントありがとうございます。ちゃんとオトせたので満足いたしました!重ねた努力分のプライドは高価であるし高いと思います。読んでいただきありがとうございました。ご縁がありましたらまた。 (2020年3月18日 13時) (レス) id: 92ee7868b2 (このIDを非表示/違反報告)
零華 - 完結おめでとうございます!最後のオチは、あぁ~という感じで、良くこれを思い付いたなと思いました。壱ノ型だけが使えないというのは、プライドの高い獪岳には不完全で嫌だったのかも知れないですね。そして最後に短くてもとても楽しかったです!。次もガンバレ!! (2020年3月17日 19時) (レス) id: f56491ae0c (このIDを非表示/違反報告)
水菜(プロフ) - 零華さん» ありがとうございます。短いお話になる予定ですが付き合っていただけると嬉しいです(._.) (2020年3月10日 21時) (レス) id: 92ee7868b2 (このIDを非表示/違反報告)
零華 - こういう、小説みたいのって少ないから嬉しいです。やっぱり獪岳が、鬼滅キャラの中で一番好きです!!続き楽しみです。更新頑張ってください!。 (2020年3月10日 15時) (レス) id: f56491ae0c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水菜 | 作成日時:2020年3月10日 2時