本日ハ晴天ナリ【鬼滅の刃】【獪岳】

会うは縁の切れ目 ページ2

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別に鬼が憎い訳じゃなかった。鬼殺の道しか生きる道が残されていなかった。鍛練するのは己が生きるため。期待に応えるため。己を認め稽古をつけてくれた師に報いるため。どんなときも歯を食い縛った。血塗れになりながらも、膝をつきながらも決して下は向かず、確かに努力を続けた。一瞬だって、泣き言も、叫びも、逃げもしなかった筈だ、俺は。

「二人ともよく頑張った」

二人は誇りだ。鳴柱の後継に相応しいと。お前よりもずっと前からお前よりずっと努力してきた。稽古を始めりゃ騒いでろくに稽古もしねぇお前と。稽古もせずにグダグダ女に更けてるお前と。二人ともだと。

雷に撃たれて雷様に愛されたとしか思えない黄金の髪になったお前をみて思ったよ。俺はこれからどんだけ努力したってお前にすぐ引きずり下ろされるって。





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いいよな努力しなくても馬鹿みてぇに利く耳を持って産まれたお前は。努力なんてしなくても後継になれるお前は。びーびー泣いてるだけでも生きていけるお前は。

どいつもコイツもすべてにムカついた。雷がなんだ。柱がなんだ。技に見放され、弟弟子にも勝てない、師とすごした時間にすら裏切られ、師もなにも見ちゃいない。





俺に幸せの箱なんてもんは端っから存在すらしてぇんだ。幸せを知らない己にはその意味すら分からないんだから。




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隣でびーびー喚く畜生にもそれを叱る爺にも誰にも俺は見えていなかった。きっと俺の目玉はあのさらし首のようにあの世をみている。

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