123 CALL ME ページ36
降谷side
腕の中で小さな身体から力が抜けるのを感じ、
そっと彼女から離れると……
Aは瞼を閉じて眠りに落ちていた。
降「……急にすまない。今は安心して休んでくれ。」
彼女を抱きかかえる手に隠した空の小瓶。
その中身は
不眠症ぎみの自分のために携帯していた睡眠薬だった。
……こんなものを彼女に飲ませたのは
脱出方法を見せないため、だけじゃなくて。
地下の研究資料室で、
Aによって破壊されたマザーボードから
主要メモリを見つけて携帯に繋ぎ…
”No.001の厳重注意”を目にしていたからだった。
ーーーーー
降「_________________…いつかの仕返しも含めて。
あの時は……解毒薬だったけどな」
ペントハウスから吹き出した炎で飛ばされた
元は扉であった鉄片を 崩れ落ちた屋上のふちに運びながら
きっと一生忘れることはない、あの日の記憶を思い起こす。
…きっと、
覚えているのは俺だけになってしまう思い出。
降「出会った日も、過ごした日も……俺も。
Aの記憶からは…なくなってしまうんだろうな」
彼女を助けられる唯一の方法。
それは…ブロンピュールとしての記憶を忘れさせ
彼女を”夕雅A”に戻す事だった。
”「脳が完全な睡眠状態に入ることで、記憶と脳力が失われる。」”
その研究結果を逆手にとったこの方法で
…その代わりに。
Aの目が覚めた時、俺は彼女にとって
”行方不明だった自身”を発見した”見知らぬ警察官”になる。
失われる記憶には…もちろん俺も含まれているから。
・
『___________________________絶対に……
忘れないよ、”透”。』
降「…!」
その時、背中に背負った
眠っているはずのAの唇からこぼれたその言葉。
起きてしまったのかと思ったが、それは寝言だと分かった。
寝言だったとしても……嬉しくて、どこか歯がゆくて。
眠るAに小さくこぼす。
降「_______________________…ありがとう。
けど、『安室透』は忘れてしまっても構わない。
_________________俺の本当の名前は…『降谷零』なんだ。」
言い終えて Aを腕に抱きかかえると、
俺は惨状へと飛び出した。
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恋 - か、神を見た…素敵な作品をありがとうございます!ただ、野暮かもしれませんがひとつだけ。「役不足」と書いていた回がありましたが、「力不足」もしくは「役者不足」の間違いではないでしょうか…?役不足ですと「能力に対して役目が軽すぎること」を意味するので… (2022年9月25日 17時) (レス) @page19 id: 08a0986ba6 (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん(プロフ) - 大変に本当に素晴らしすぎます。え、あなたが神では?いやもうほんとにやばすぎて好きすぎて一瞬で読み切りました。1人ソファで悶えながら読み切りました。ほんともう最高です!!! (2022年8月1日 15時) (レス) @page50 id: b3862cde2f (このIDを非表示/違反報告)
うさマロ(プロフ) - こ、これは神作だ (2022年4月25日 8時) (レス) @page50 id: 9e17f78ec0 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - めっちゃ泣いたし良い話だったな…最高です (2022年4月19日 15時) (レス) @page50 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
シンア(プロフ) - きゃんぱすさん、初めまして!!!最っっ高の作品でした!!ルパンには不二子ちゃんがいる・・・それは悲しいけど、零さんがかっこよすぎました!!すっごい今更なんですけど、夢主ちゃんと零くんの結婚式番外編見たいなー、なんて思ってしまいました・・・・ (2022年3月22日 11時) (レス) @page50 id: a3f48aea4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゃんぱす | 作成日時:2019年9月17日 6時