やあ、初恋の人。《 名探偵コナン×ルパン三世 》

121 SAVE ME ページ33

…そう、一度口に出してしまうと

今まで気付かない振りをしてきた本音が
涙と共にとめどなく溢れ出して。









『……どこへ逃げてもこの世界に私の居場所はないし、
もうこの身体じゃ逃げられない。

脳力も……まともに使えなくなってるの。
15年前、研究途中のままここを逃げたから、
脳も私もいつおかしくなるか分からない。

だからもう、こうするしかないんだよ……』



包み隠さない全てを彼に打ち明けてしまっていた。










……分かる？

もう私だって、透だって…どうにもできないの。




俯いたまま
涙が地面に染みを付けていく様子を睨むしかなくて。







視界が再び涙で揺れた その時。












ｽｯ…



『…！』






______________________私の涙をハンカチが拭った。
















降「……今まで君が耐えてきた不安と恐怖は到底計り知れない。
この結末を選んだのも…無理はない。

けど…_________________________方法はまだあるんだ。」





『……え…』














降「世界から追われることも無く、命を狙われることも無い。

万が一 君に実験の後遺症が残ったとしても、
医療チームを立ち上げて治療できる。

でまかせや理想じゃない、これらは全部本当だ。

















_________________________一度だけでいい、

俺を信じてくれ。」













……意志固く、何回でも救いの手を差し伸べてくれる目の前の彼。

心に染み込んでいく一つ一つの言葉に…
私の強がりもとうとう剥がれ落ちて。















『______________________________…うんっ…』










_________________________まるでいつかのように。


”突然現れた彼”の手に そっと自分の手を重ねた。

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