やあ、初恋の人。《 名探偵コナン×ルパン三世 》

102 RIE ページ13

降谷side


ル「……ブロンピュールちゃんを、盗む？」


俺の発した言葉を再確認するように
呆然と聞き返したルパン三世。

そんな彼に応えて「あぁ」と頷いた。












いくら変装に優れた彼でも
厳戒な警備が敷かれた地上で行動するなど
わざわざ危険に踏み込む真似をするはずない。

それを考えた結果…地上と地下で動けなけないのなら
おそらく向かうは天井。




警備の指示をされた現場から密かに離れ、
この街全体を見渡せる時計台で彼の姿を探したのだ。










あえて……
ブロンピュールだと錯覚させるような姿をして。












ル「……ブロンピュールちゃんは
俺のポケットに収められる器量の女じゃねぇ。

魅力的だが、残念ながら受けれねぇ依頼だな。」
















降「__________________________…彼女が、
解剖台で命を奪われる事になってもか」


ル「…？！」



…突然過ぎる俺の言葉に
彼が小さく息を飲んだのが伺えた。









ル「……どういう事だ？」


降「……近頃 ブロンピュールの凶暴化が問題視されていて
彼女の暴走を止めるために世界中の警察組織が動き出した。

僕たち警察組織は彼女の”処分手伝い(逮捕)”を依頼されてここにいる。
逮捕された彼女は脳以外 全て処分される。
つまり殺されるんだ、世界に。」


……自分で発していながらも、並べたその事実には
虫唾が走る程の情けなさと悔しさがにじんだ。









降「この警備も明日には倍に膨れ上がる。
正直、君よりも彼女の逮捕のためだ。

今回ばかりは……いくらブロンピュールでも逃げきれない。
だから止めるしかないんだ。

彼女の命を奪う我々 警察組織か、
唯一彼女を救える君のどちらかが。」


ル「……」







降「この時計塔は街の中心。
いくら目に付きにくい屋根をつたって来ても 下の警官達に見つかるリスクは高かったはず。

そもそも…君がすぐにこの国から逃げなかったのは
ブロンピュールに向けられる捜査の目が
少しでも自身に向くようにしたからじゃないのか。


君も彼女を想っているのなら、彼女を”また”盗んで(救って)くれ。」






頼む、ルパン三世。君は最後の頼みの綱なんだ。
俺が彼女のために出来るのはもう…これしかない。













・


















ル「……本当にそれを望んでんなら、
そんな「心の底から不本意」って顔してねぇはずだぜ。

素直になれよ。惚れてんだろ、Aちゃんに。」

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