警察学校時代から完全無欠なあの男に今近づきたくて仕方ない《名探偵コナン》

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『っ…！！！

突然石のように動かなくなったのは
引き金じゃなく私の指。



何で………！！


動いてよ……！！

動けっ…！！



早く引いて……！！！






・






真「……なあんちゃって。
ただのフリだよ、A慌てすぎ〜」


『…っ…！！』




真「よいしょっと。
それにしても…そこは変わってないんだ」


園子ちゃんから離れ
真秋は私に近付いてくる。

そして、立ち尽くす私を
全てを見透かしたような瞳で
覗き込んできた。







真「＿＿＿＿＿お前の"執着"。」



ﾄﾞｸﾝｯ……







真「親しい人間にほど過度に執着する。

幼い頃から傍にいて、
大切にしてきた人形を
いつまでも手離せない性質と同じだ。
その存在を失う事に耐えられない。

過去に欠乏した愛を
その存在で満たしているから。」


『……やめて』







真「お前の中で優先順位はいつだってその人形だ。
人形でする愛のおままごとがやめられない。

だって、
本当に欲しかった愛は…
もう二度と得られないから」



『やめて！！！』





…真秋の言葉を聞くたび
心が冷えていく感覚に
のまれかけて思わず怒鳴る。

そんな私を弄ぶように
彼は構わず言葉を続けていった。







真「どんなに手離したくても手離せない。

たとえそれが……
殺人鬼になったとしてもな！！」ｸﾞｯ


『っ…！』



私の手の拳銃を強引に引き寄せ
彼の手が自身の胸に銃口を当てる。






真「…俺はいつか殺人鬼に(そう)なる。
そんな事分かってんだろ？

でもお前はこれを引けない。

”人形”じゃない、俺(家族)と
サヨナラする勇気も覚悟もないからだ」


『…っ…』





真「肩書きは立派な警察になったって
お前は昔と同じ弱虫なんだよ。

Aは俺を止められない。絶対に」




その言葉が、隠し続けてきた
心の一番脆い部分に突き刺さって。







真「……いけね、結構話し込んじゃった。

そろそろ俺帰るね、
明日も普通に診療あるんだ」


そう、真秋が私から手を離した瞬間
力の入らなくなった右手から
拳銃が滑り落ちていった。






真「あ、その子は麻酔で寝てるだけだから安心して。
あと1時間もすれば目を覚ますよ。


それじゃ…おやすみA。

……………もう邪魔しないでよ？」




倉庫の中で反響したその言葉と
真秋の足音は
いつの間にか聞こえなくなった。





それと同時に私は、
呆然と膝から崩れ落ちた。

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