警察学校時代から完全無欠なあの男に今近づきたくて仕方ない《名探偵コナン》

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ｶﾞﾁｬ


ハ「アンッ…」

降「ただいまハロ。Aは帰ってないのか？」

ハ「クーン……」



出迎えてくれるものの、
尻尾を下げて元気のないハロは
Aの名前を聞くとなおさら
元気を無くしてしまった。

Aの帰りが遅くてよほど
寂しいんだろう。



うなだれているハロを抱き上げ
リビングに向かって

お気に入りのドッグフードを
いつもより多めに器に入れてやると
少し元気を取り戻して
嬉しそうに食べはじめた。



その姿にほっとしつつ
時計を見ると、もうすぐ22時をまわる。

Aは一番遅い日でも
23時には帰ってきていたし、
シャワーを浴びて
軽く夕食を作っているうちに
帰ってくるかもしれない。


そう思いドッグフードを完食した
ハロの元気な顔に癒されながら
ネクタイを緩めた。





・






時刻は0時。


2人分の夕食を作り
持ち帰った資料も終わり

ハロが寝付いてもなお
Aは帰って来ない。




この時間でアルバイトじゃない。
…組織か。


彼女はあの組織にとって
重要人物であり
代わりの利かない情報管理人。


まさか組織内で何かあったのか……







ｳﾞｰｯ!ｳﾞｰｯ!


降「！A……」

携帯の発信者に表示されたのは
"神楽坂A"の文字だった。




降「A？」

『降谷ごめん、少しの間帰れないかも』

降「…組織か？」


『うん。忙しくなりそうでさ。
公安で何かあったら保留にしといてくれる？』

降「……わかった。気を付けろよ」

『言われなくても分かってるわこの過保護ゴリラ』

降「…あのな」


『心配しないでいい 絶対帰るから。
ハロくんよろしくね、降谷』ﾋﾟｯ




…有無を言わさず通話を切るのは
松田と同じか。


冷淡な切断音に向かって呟く。





・







・






降「…俺に出来ることなら何だってするから、
無事に帰ってきてくれ。


…君がいないと
ハロが寂しがるんだ、A。」

　



ーーーーー




Aside


『…降谷、ごはん作っといてくれてたんだろうなぁ』


申し訳なくて私から電話切ってしまった。
ハロくんも寂しがってるかな。



心の中で2人に謝りながら
複数のコンピューターを操作する。


全てのパスワードを解いて
データを引き出し、USBにコピーしていく。

そして
組織内の情報や連絡手段を
少しずつ混乱させて。





・







・





大事な人たちは
絶対に失わないし置いてかない。

だから。






心配しないで、降谷。

逝かせないから、景光くん。

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