警察学校時代から完全無欠なあの男に今近づきたくて仕方ない《名探偵コナン》

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降谷side


『あんたじゃなきゃ、意味ないの…
私はあんたがいいの……っ

一生の頼み、聞いてよ降谷……』




何なんだ、この状況





ーーーー



現在夜中の2時。


うまいことに組織、ポアロ、公安の
3つの仕事が重なってしまい

ポアロを閉店してから
公安に直行したものの
会議や報告書の作成、残務処理など
やっているうちに日が変わってしまった。

手伝ってくれようとする風見を
上司命令といって強引に帰したが
まだ作成しなければならない資料はある。




最後に寝たのはいつだか思い出せない。

ブルーライトに目が限界を迎え、
痛くて開けていられなくなる。




降「……はあ」


ため息をついて
目をこすったその時。







・





『_________貸して。』


凛とした声と引き換えに
パソコンと資料を奪われた。




降「っ…A？！」

『返せって言っても返さないから。
大人しく休憩してて』


言いながらもスピードは全く落とさず
一瞬の迷いなく文字を打ち込んでいく彼女は、

俺と同じ、トリプルフェイスを持つ
神楽坂Aだった。





『はい、終わり。』ﾀﾝｯ

降「…すまない、助かった」



ほんの少しの時間で彼女は
やはり完璧に資料を作成した。

相変わらず恐ろしささえ感じる腕前だ。




降「礼ではないが何か奢らせてくれないか」


最近差し入れをくれたり
何かと気を遣ってくれる彼女に
せめて何かしようと思いそう言うと

そっと
いつか貸した俺のハンカチを差し出した。



『…いいよ、この前のお返しだと思って。』

降「それは…気にしなくていい。
今日は今日だから。」



俺の言葉に少し悩んだAは言った。




『じゃあ、降谷の家に住まわせて』

降「…は？」




……想像もしなかった言葉が、
彼女の口から発された。






『…住んでるマンションでトラブルがあって、部屋に帰れなくなった。
だから、帰れるようになるまで降谷の家に居させてほしい』

降「？！それは災難だが…
萩や松田の家に行ったりしないのか？」

『邪魔だって断られた』




あいつらよくも大切な幼なじみを…

降「…じゃあホテルに滞在するとか方法はいくらでも」

『っ……一生のお願い！』



不意に、Aの瞳が俺を写した。




『あんたじゃなきゃ意味ないの…！
私はあんたがいいの……っ

一生の頼み、聞いてよ降谷…！』
　






・






久々に俺を写した真っ直ぐな目と
その言葉に

俺は知らぬ間に首を縦に振っていた。

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